【SUPERLOVERS】孤独な仮面

episode.27 ページ28

〜晴side〜

シャワーを浴びに行ってる月希を待っている間、俺は亜樹と蒔麻とテレビを見ていた。







「そういえば月希、本当に怪我してねーのかな？」

「突然どうした？亜樹」

「いや、階段から落ちた俺を庇ってくれたから背中とかアザ出来てるんじゃないかって・・・」









昼間の事故で亜樹も足を軽く捻挫している。









それを庇った月希が怪我をしていないはずがない。









「そうだな、後で背中とか見とくわ」









俺がそう言うと、亜樹と蒔麻が首を横に振った。









「いや、それは俺がやるから」

「急になんだよ亜樹」

「いや・・・まぁ、俺の責任だし？」









そう言う亜樹は、何故か引きつった顔をしている。









「どうした亜樹？」

「いや、なんでもない」

「実はさ・・・「おい！」









蒔麻が何かを話そうとした瞬間、亜樹が蒔麻の口を手で覆い塞ぐ。









「なんだよ、お前ら」

「兄貴ちょっと待ってて！」









逃げるよう部屋の隅へ行き、ブツブツと話す亜樹と蒔麻。









そして少しして、









二人がソファーに戻ってくると、蒔麻が真剣な表情で口を開いた。









「兄貴が知ってるかどうか分からないんだけど・・・
実は、月希は自分の体を見られることが、そんなに好きじゃないみたいなんだ」

「は？」









蒔麻の言わんとしている事が分からず俺は首を傾げる。









「月希の体には昔、親に付けられた沢山の傷があって、それを見られるのが嫌みたいなんだ」









傷？









そういえば、母さんも昔そんなこと言ってたっけ・・・









え？でも・・・









「なんでお前らが月希の体の傷のこと知ってるんだ？」

「それは、まぁ・・・」









言いにくそうな顔をする二人。









何故だろう。









俺よりも月希のことを知ってる二人を見てると、何故だか胸の奥が熱くなる。









「そうか、分かった」









「教えてくれてありがとな」と言って俺は部屋に戻りベッドに腰をかけた。









俺の方がアイツのこと知ってると思ってた。









なのに、









それはただの思い込みだったと実感した今、









俺の中を掻き回すこの感情は一体なんなんだ。

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