episode.20 ページ21
そして、やっと次々とくる衝撃がおさまり、背中に冷たい床の感覚が伝わってくる。
「なんだ今の音は?!」
バタバタと足音をたてながら走ってくる晴。
「月希!亜樹!大丈夫?!」
二階から慌てて降りてくる蒔麻。
ズキンッズキンと痛む背中を庇いながら、上に乗る亜樹の肩を揺する。
「亜樹さん、大丈夫ですか?」
声をかけると、閉じられていた瞳が開かれ俺を見る。
「・・・月希?」
俺の顔を見ながら体を起こす亜樹。
まじかにある亜樹の整った顔が妙に心をザワつかせる。
俺は目線を逸らし、上から降りてきた蒔麻と音に驚いて走ってきた晴が俺達にかけよる。
「お前ら怪我してないか?!」
「二人とも痛むところとかない?!」
慌てる2人を見ながら俺はゆっくり体を起こす。
「とりあえず、亜樹さんの手当てをしてあげてください」
亜樹の体を見ると、落ちた時に打ったのであろうアザが出来ていた。
守りきれなかった・・・
無力な自分に腹を立てながら、俺は立ち上がり亜樹を横抱きにして持ち上げた。
「お、おい////」
「なんですか?」
「降ろせ!自分で歩ける///」
そう言って顔を赤くしながら暴れる亜樹。
「これくらいさせて下さい」
「なんで・・・」
「俺にはこれくらいしか出来ませんから」((ボソッ
静かになった亜樹をリビングへ連れて行き、手当てをする。
「・・・すみません」((ボソッ
謝るしかできない、自分の無力さを痛感しながら。
手当てを終え、外を見ると太陽は沈み、月が美しい姿を見せている。
随分遅くなってしまった・・・
家が見つかるまでは、幹子さんにお世話になろう。
あの三人が二階から降りてくる前に早く家を出よう
リビングに置いておいた荷物をとり、玄関へ向かう。
するとそこには、
「何処に行くんだ」
俺が今一番会いたくない奴が、立ちふさがるように立たずんでいた。
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悠優(プロフ) - すごく面白かった!!SUPERLOVERSの作品で、こんなにいいものに出会えたのは初めてです!男主君の感情に涙が出たり……。いつもすごい、更新と結末が楽しみで待ってました。続編も書いてくださるならば沢山読みます!! (2018年5月28日 5時) (レス) id: ff0955d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 続編もちろん希望です!SUPERLOVERSのあの焦れったい感じの雰囲気がすごく表現されてて、ユピノンさんの小説が大好きです^ ^ これから男主くんがどうなっていくのか、楽しみに続編期待してお待ちしてます!^ ^ (2018年5月28日 3時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 続き気になります!主人公と晴の関係も気になります!なので続編希望します! (2018年5月28日 3時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 凄い気になる!続編待ってます!! (2018年5月28日 1時) (レス) id: d972e9a204 (このIDを非表示/違反報告)
玉子(プロフ) - とても楽しませてもらいました!本当にこの物語が大好きで続きもきになるので続編待ってます! (2018年5月28日 0時) (レス) id: ae214f582e (このIDを非表示/違反報告)
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