蒼い陽 Aoi_Haru (ページ18)

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初レッスン 8 ページ18

丈一郎「今回はほんまに大事やからな」

いきなり真剣な面持ちになった藤原君に、みんなが口を閉じた

「なんかあるんですか？」

と言っても返ってこない返事

これは、もしかすると、聴いたらあかんかったやつ？

幸登「いつもは頑張ってないんかよ。笑」

楠本君が藤原君を突っ込み、さっきまでの雰囲気に戻った

丈一郎「……さっきまでさ、金村のこと好きになられへんかった」

いきなり沈黙を破った藤原君の放った第一声がそれだった

確かにそうなると思う

突然やってきた、しかも女が勝手に人のグループの中へ割り込みセンターまで奪ってのうのうとダンスしている

ただの空気の読めないやつであることは自覚していた

丈一郎「でも、お前は今の関西Jrに必要な、大切な人材やって今気付いた」

「……今のってどういう意味ですか？」

"今"の関西Jr？

私は2012から関西Jrの知識が止まっているため、知らない

でも、WESTがデビューし、なにきんで引っ張っていってるのではないんだろうか

現に、このクリコンもなにきんがメインなわけで

大地「あれ、Aのお姉ちゃんファンって言ってたから知ってると思ってた」

深刻な面持ちになる今江君含め、全員

これはダンスをやっている場合でないことを悟り、そっと藤原君達が床に座っている輪の中に入れてもらった

それを追いかけるように、大橋君と楠本君も腰掛けた

大地「ちょい待て………うん、OK」

今江君は一通り回りを見渡してこの部屋には誰も居ないことを確認すると藤原君にOKサインを出した

みんな少し顔を近づけ合い藤原君が小さな声で話しだした

丈一郎「今日、廉と紫耀がおらんかったのは知ってるな？」

「はい。仕事じゃないんですか？」

レッスンの時、２人分のポジションが空いていたからこのクリコンに出演するのは確か

２人とも通っている高校は違うため学校行事でもない

といっても、永瀬君がどこの高校に通っているかは知らないが平野君の通う高校は確か愛知県だったため同じ高校というのは有り得ない

と、すると仕事しかないだろう

丈一郎「そやねん！それが問題やねん！」

指を立てて険しい表情で説明する藤原君だが、私には到底理解出来なかった

仕事でレッスンに来れない

それは、どれほど有り難いことなのか

むしろ、それ程仲間が頑張っているというのにコイツ等はこんな所で何をやってるんや