初レッスン 7 ページ17
side 金村A
「…はぁ、はぁ、マジ…何、これ」
たった2、3分にカットされていた曲だったとしても家か学校で机に向かっていることしかしていない私にとっては、かなりの重労働に値した
康二「A、めっちゃうまいやん！どこで覚えたん！？」
そんな康二の声に共感するかのように、一斉に此方に視線がやってきた
「昔はお姉ちゃんと観てたことがあったので」
正直に言うと、
康二「この前、Aの姉貴が柊真のファンって言ってたな！」
と、お姉ちゃんの話しを覚えてくれていたらしく有り難く思った
"sexy summerに雪が降る"を初め、"HAPPY HAPPY LUCKY YOU"など、数々のレパートリーを持っている
それは、Jrのコンサートで披露するためというよりかは、沢山のデビューしたグループのコンサートのバックに付き、より一層知名度を上げるため
そう言った方が分かりやすいかもしれない
そんな彼らを見ていると、自然と振り付けを覚えていた
でも、実際踊ったのは今日が初めてに近い
ふと、周りを見渡す
私に向かい、驚く者、目を見開く者、何とも思ってないかのように振る舞う者、遠目でライバル心を抱く者
そんなバラバラに個性を持っているからこそTVで活躍出来る
実際、デビュー出来るのはほんの一握り
もしかすると、この中には１人も居ないことだってある
今日は、他にアンコール曲など全体で合わせる曲を行った
明後日もレッスンがあるらしく、その時はグループごとのダンスらしい
和也「そうそう！次はターン」
皆が帰る支度を始める中、私は大橋君と一緒に今日習ったダンスの復習を行っていた
ここにいる全員何回も踊ったことのある曲で、１人遅れを取っている
いくら知っている曲があったとしてもダンス未経験者の私には到底難しかった
大地「それにしても、A吸収すんの速いなー」
大橋君のダンスに必死に食らいつく私を横目に、今江君はしみじみと眺めていた
丈一郎「お前、おじいちゃんかよ」
大地「違うわ！」
リチャード「グランドファザー？」
大地「そんな顔して発音下手やし！」
…………さすがです
幸登「違う違う！それは右足じゃなくて、左足を前や！」
悪戦苦闘していた私に声を掛けてくれた楠本君
結局、私は大橋君と楠本君の２人からダンスを教わった
結局ギャングスター全員が教えてくれることになり、仲間思いの温かい人達だと実感させられた
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作者名：柚月
| 作成日時：2015年12月5日 0時
