初レッスン 2 ページ12
side 向井康二
文一「は？今何つった？」
レッスン場に集まり、このあとのレッスンに向けてそれぞれに準備している時だった
眉間に皺が寄り、明らか怒り顔な文ちゃん
丁度文ちゃんがダンスシューズに履き替えているときに柊真が話しかけたもんやから下から目線で睨んでる
その途端、ガヤガヤしてた他のメンバーも静まってみんなこっちを向いた
柊真「だから、今日から女の子のJrが増えます」
それでも微動だにせず堂々と放つ柊真のメンタルは鋼レベル
そんなコイツの隣に居る俺やけどさっきから足の震えが止まりません
龍太「え、ちょっ、どゆこと？」
文ちゃんの隣でストレッチしてた龍太くんは動揺が隠せないらしい
というか、此処におる俺と柊真、そんであの撮影に同行してたマネージャー以外の関西Jr全員が驚きの表情やった
大晴「え、女の子が関西Jrに入るんっすか？」
柊真「そう。ジャニーさんがスカウトしました」
文一「お前が何で知っとんねん」
柊真「康二と３人で雑誌の撮影をしたからです」
最近の柊真は何か変わった
文ちゃんに口ごたえなんか、せえへんかったし増してや、こんな強くなかった
文一「あのジジイ……」
文ちゃん、もう相当キレてます
こんな状況にAが来たら、とんでもないことになる
それでも引こうとしない柊真
柊真「…………っ…か」
文一「あ？」
文ちゃんが柊真の言葉を聞き返した
柊真「このままで良いって思ってんすか！！！！」
柊真の叫んだ声は、胸にグサリと刺さった
柊真「ジャニーズWESTがデビューして紫耀と廉だけが東京に抜かれて…
今、危機なんじゃないんですか！？」
柊真は痛いところを突いてくる
先輩であるWESTのデビュー
嬉しかった反面、寂しくて
そんな気持ちが抜けへんまま、ズルズル引きずって寂しさに浸ってたら、いつの間にか紫耀と廉がおらんくなってた
一歩先、いや何歩も先を向かうアイツらに、悔しい気持ちもあるけどそれだけではどうにも出来へんかった
今日も２人は東京の仕事で欠席
見た目は何ともないような感じに振る舞い、でも内心焦っている
取り残された俺らは余り物？
それをチャンスに生かそうともせずただただ土の中で外にも出れず足掻いていた
柊真「今の"関西Jr"は本当の"関西Jr"じゃないでしょ…？」
柊真はこの時、どんなことを感じてどう思っていたのかなんて知るはずもなかった
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作者名：柚月
| 作成日時：2015年12月5日 0時
