王子と姫 �� ページ20
あの後拒否ろうと思ったが、篠宮の殺気の籠ったあの表情を見たら言い返せなかった自分が情けなく思えた。
そして今、水曜日の放課後の空き教室でタイマン…じゃなくて勉強会が始まっている。
「そこの文章はこの文法、さっきも言ったよね？」
いい加減にしてよとでも言いたそうな顔。
「…っち」
「教えてもらっといて何その態度！…まぁいいや。さっさと終わらせよ〜」
誰も教えてくれなんて頼んだ覚えは無いけどな。
先生から出されるプリントの提出、それが条件。
だから全部の問題を解き終わるまでこいつと一緒にいなければならない。憂鬱だろ。
プリントを全部解き終われば「ふーんやればできるんじゃん」なんて癪に触る事を言う。
「何でこいつが人気あるんだよ」
「その言葉そっくりそのままお返ししますけど」
この日も俺たちの間には火花が散っていた。
そんな時間を何回か過ごしたとある日、あいつのクラスの前を通るとクラスメイトと楽しそうに話しているのが見えた。
あいつ俺の前であんな風に笑わないぞ、と考えたら少し腹が立ってきたから考えるのをやめた。
今日も水曜日。
いつもの通り放課後の空き教室にふたりきり。
「ここは…」と説明する篠宮の言葉は俺の耳を通り過ぎる。
髪の毛サラサラ、まつ毛も長いな。
なんで俺の前では笑わないんだよ。
あの時のこいつの笑顔が頭から離れない。
こっちを向かせたい、ただそれだけだった。
「ねえ聞いてるの」
そんな言葉を遮って俺は篠宮の頭の後ろに手を回しそのまま自分の方へ引き寄せた。
ひとつの机に向かい合って座る距離。縮めるのは容易い。
こんな事したら本格的に嫌われるな、いやもう嫌われているのか。
俺はこの後言われるであろう文句を頭で考えた。
ガタガタと椅子の倒れる音がして、篠宮を見る。
「なっ、なっ……なにして……！」
口を抑えながら真っ赤な顔をして少し涙目にも見えた。
怒ると思っていたばかりに、俺は真逆な反応をされて思考が止まった。
教室から出ていく篠宮。
「……やべぇ、落ちた」
つーかなにキスしてんだ俺、らしくないだろ。
でも自分の気持ちを自覚してしまったのだから仕方ない。
教室を出ていった篠宮の後を追いかけて探す。
放課後の部活の時間は人が少ない、篠宮を見つけるのにそうそう時間はかからなかった。
「おい」
廊下の隅にうずくまっている所に声をかけると篠宮は肩を揺らした。
また逃げられるのも面倒だから目の前に座り壁に片腕をつく。
王子と姫��→←王子と姫 �� Minamino(チーズバーガー抜きで！様リクエスト)
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りょー(プロフ) - 葉瑠さん» ありがとうございます！全然大丈夫ですよ🫶🏻暇なときに書いてくださると嬉しいです！ (2023年1月4日 15時) (
レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - りょーさん» はじめまして！板倉選手ですね！お時間いただくと思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです…！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - はじめまして！4番の板倉選手のリクエスト可能でしょうか、？シチュエーションはなんでもかまいません！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - マイメロディさん» お待たせしております！まずは田中選手のお話しを書いてみました！気に入ってもらえたらなによりです🙏他のリクエストもお待ちください☺️ (2023年1月4日 10時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - ひーな@キーテイちゃんさん» またよろしくお願いします☺️ (2022年12月29日 23時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉瑠 | 作成日時：2022年12月7日 18時
