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ジメジメとする梅雨が明けて
暑さが本格化する夏が顔をだす
空には白くて大きな雲が浮かびそれはまるで綿あめのよう
こういう空は好きだ
見上げた空があまりにも気持ちよくて胸が弾む
俺の足取りは軽い
自然と頬が緩むんだ
「まっすーー！」
「あ、シゲ」
雑誌モデルの衣装合わせで現場に行くとばったりシゲに会う
「今日はなに？新作のお披露目？」
「そーそー。今回のはかなり自信作。」
「そっか！撮影見てていい？」
「おう。」
昨日ギリギリまで調整してやっと仕上がった服たち
それらは今日モデルたちが着こなすことによって完成される
この瞬間が1番わくわくすんだ
俺の立ち上げたブランドは何故だか若い女の子たちにも人気で、新作がでると常に雑誌で特集が組まれる
売れ行きも好調で街中で俺の服をみることはしょっちゅう
嬉しいかぎり
39歳を目前に俺の仕事は絶好調だ
「あ。これ手越が似合いそう。」
「ん？だれ？」
「あー…オレの友達…？笑」
「なんだよ、それ。笑」
シゲは時々悲しそうな顔をする
だけど俺を悲しませるようなことは絶対言わないんだ
そんな辛そうな顔してさ、
俺になにか隠してるの？
「シゲはあれでしょ？ノミネートされたから取材だろ？ほんとすげーなぁ。」
曇ったシゲの表情を見なかったことにして話題を変える
「まぁそんなとこ笑
小説家が雑誌に需要あるのかな？笑」
「シゲ顔いいから需要あんじゃん？」
「そうかなー笑」
ほんとシゲは謙虚だな…
男の俺から見たって綺麗な顔立ちと思えるその顔で照れるシゲ
照れながら頭をポリポリ掻いたかと思うとふと思いましたかのように俺に言う
「この雑誌できたら小山にも送っていい？」
「あー小山先生？いーよー。」
「じゃ、3冊くらい送りつけとくわ笑」
「迷惑だろ笑」
業界は違うけど俺たちは仲がいい
だけど俺はシゲと出会った経緯をまったく覚えてない
あの日、気づいたら、
シゲは俺の前で泣いてたんだ
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はるぴぃ(プロフ) - compassさん» compass様はじめまして！そして素敵なコメントをありがとうございます(;_;) あたたかい言葉をいただけてほんとに嬉しいです！ここでの出逢いに感謝です！！ (2017年7月30日 16時) (
レス) id: 69edf73db9 (このIDを非表示/違反報告)
compass(プロフ) - 短編でここまで深く話に引き込まれたのは初めてです！皆の表情とかも浮かんできました。ほんとうにおもしろかったです！ (2017年7月23日 18時) (レス) id: f9a8798002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるぴぃ | 作成日時：2017年7月1日 23時
