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太陽が沈みかける頃
俺は部屋にシゲを呼び出し
ダンボールの中身を広げ
シゲにそれを見せる
「俺、知っちゃった」
と言うと
「そうか、、」
と低く小さくつぶやき
意を決したように
俺にすべてを教えてくれた
俺たちはアイドル
夢と輝きに満ちた世界で
輝くことを仕事とし
たくさんのファンに愛された
希望を齎すアイドル
そんななか
幾度となく仲間を失い
その度に支え合い
苦難を共にした最後の砦
かけがえのない、4人
俺はその中の1人
そして降りかかった仲間の死と俺への悲劇
その結果俺たちは離れ離れとなった
信じがたい話
だけどその全てが真実
俺が忘れてしまった真実
話し終えたシゲにハンカチを渡されて
自分が泣いていることに気づく
グスッ
鼻をすする音だけが響く部屋
シゲが優しい目で俺を見るから
そんな状況に耐えられなくて
意味もなく冗談をかます
「ははっ、アイドルか、
そりゃ俺のブランドも若い子に人気なわけだよ」
そう言って笑ってはみたものの
「そうだよ、まっすーはたくさんの人に愛されてたんだよ？」
ってシゲが真剣な眼差しで言うから
「小山もまっすーを大事にしてんだよ」
なんて言葉を足すから
涙は溢れて止まらなくなるんだ
太陽は今日に別れを告げ姿を消した
明るさを失った部屋はより一層
俺を絶望と悲愴感でいっぱいにした
大切で大切でたまらない
そんな存在が記憶からいなくなるなんて
俺はほんとにダメだ
どれだけの人を悲しませ
どれだけの人を傷つけたんだろう
罪悪感が湧き上がる
知らないということは残酷だ
だけど
忘れてしまった
ということはもっと残酷だ
記憶が戻らないうちにそれに気付いてしまったら
俺がこうやって自分を責めるだろうから
みんな黙っててくれたんだ
いつか俺の記憶が戻ることを信じて
とにかく探しださないと
いつだか話した墓の中の青年の言葉を思い出す
嘗て仲間だった手越という青年
彼も俺に忘れられて悲しんでたんだ
彼が集めて待ってると言った俺の記憶を
一刻も早く見つけないと
手がかりは…
そうだ！
いつもAと一緒に通っていた診療所に
俺は初めてシゲと一緒に行くことを決めた
小山せんせ、、いや、小山に会いに…
そう呼んでたんだろ？過去の俺は
そしたらきっとなにかが変わる
そんな気がした
もう待たせるなんてできない
俺は負けない
*
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はるぴぃ(プロフ) - compassさん» compass様はじめまして！そして素敵なコメントをありがとうございます(;_;) あたたかい言葉をいただけてほんとに嬉しいです！ここでの出逢いに感謝です！！ (2017年7月30日 16時) (
レス) id: 69edf73db9 (このIDを非表示/違反報告)
compass(プロフ) - 短編でここまで深く話に引き込まれたのは初めてです！皆の表情とかも浮かんできました。ほんとうにおもしろかったです！ (2017年7月23日 18時) (レス) id: f9a8798002 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるぴぃ | 作成日時：2017年7月1日 23時
