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151、挑戦状 ページ6

耳を突き刺すような不快な音とともに窓硝子が割れた。
敦は反射的に割れた窓に駆け寄る。




「誰もいない…」




紙を投げ入れた人物は既に姿を消していた。
窓の外にはいつも通りの賑やかな街並みが広がっているだけ。
Aに目をやると、目を見張ったまま立ち尽くしていて。
その様子を不安に思い、敦は声をかけた。




「紙に何か書いてあったの?」




「…」




「A?」




呼びかけると、少女はゆっくりと顔を上げ、
皆の方を向いて声を張り上げた。




「探偵社に挑戦状です!」




「なんだと!?」




一番に声を上げたのは国木田だった。
他の皆も目を見開き、探偵社に一瞬の沈黙が流れる。
それを破ったのは太宰のいつになく真剣な声。




「なんて書いてあったんだい」




その問いかけに、Aは紙に書いてあることを読み上げる。




ーーー明日、陽が登り切る頃

青い瞳は血の如く赤色に染まり、ヨコハマに住まう一匹の小さき虎が人々を襲い出すだろう

この街を守りたくば阻止してみせよーーー




「…なんだ、その巫山戯た文章は」




国木田が顔をしかめ、Aの手元にある紙を覗き込む。




確かに意味の判らない文章だ。
暇を持て余した誰かの悪戯かと皆が思い始めた時だった。




「その文章は巫山戯てなんかいない」




太宰が頬杖をつきながら言った。




「理由はなんだ」




「国木田くん分からない?
手紙に『明日』って書いてあるでしょ。いつ何を起こすのか、その手紙には明確に書かれている。
もし悪戯なら、今すぐ何かを起こすって脅したほうが送り主からしたら楽しいに決まってるじゃない」




「確かに…」





太宰の推理通りだとすれば、この紙に書かれていることは本当に起こるということ。
Aは固唾をのむ。




「この街を守りたくばって…横浜が壊されるかもしれないってことですよね?」




「Aちゃんの言う通りだ。早く犯人を見つけないと…」




太宰の言葉が静かに響く。




「大事になりかねない」

152、超推理の結果は→←150、平和は突然に壊れるもの



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設定タグ:国木田独歩 , 文豪ストレイドッグス , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります!これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いですね!応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです!これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません!こんな素晴らしい作品を書いて頂いて....  ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´・ω・`)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね! (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2023年2月18日 20時

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