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149、少女と白い花 ページ4

その花は、小さいながらも美しく佇んでいた。
真っ白な花弁は触れば消えてしまいそうな儚さを纏っていて、その雰囲気が余計に心を惹きつける。



「…これにしようかな」



「それは何という花ですの?」



ナオミに聞かれて鉢の外側を見る。
そこに書かれている名称を見て胸が鳴った。



「セイロンライティア…?」



馴染みのない花だ。
鉢を落とさないよう腕に抱えていると、突然太宰が近づいてきた。



「Aちゃん、その花すごくお似合いだよ。まるで天使のようだねぇ」



「え…」



「なんだいそのジト目は」



「太宰さんの言葉ほど信じられないものはありませんよ」



そそくさと敦の後ろに隠れるAに、敦は苦笑する。



太宰の言う通り、Aとその花はとても似合っていた。
真っ白な花をもつ美しい少女。
金髪と白い肌も相まって、その姿は天使のようであった。



「敦、太宰さんのナンパ癖どうにか出来ない?」



「そんなこと言われても!」



「あれ、なんか私Aちゃんの信用をすごく失っているように感じる…」



「お前はAだけでなく社の全員からの信用が皆無だぞ」



どさくさに紛れて聞こえた国木田の呟きに、反論する者が居ないという悲しさ。
Aも最初こそ庇っていたが、今までの太宰を見ていると矢張り気持ちは変わるもので。



「Aちゃん私を庇ってくれ給え!」



「流石に庇い切れません」



この一点張りで貫いた。



「そんなことより貴様、担当している事件の進展報告はどうした!今日の4時までだぞ!!」



今日も今日とて国木田の怒声が響く探偵社。



『平和だなぁ』



兄の怒声を背中越しに聞きながら、Aはミルクティーを入れにキッチンへと向かった。
平穏な時間は刻一刻と過ぎてゆく______

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設定タグ:国木田独歩 , 文豪ストレイドッグス , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります!これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いですね!応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです!これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません!こんな素晴らしい作品を書いて頂いて....  ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´・ω・`)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね! (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2023年2月18日 20時

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