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168、過去のこと ページ23

喫茶処うずまきでモンゴメリと(ほとんど無理やり)友人になったAは、その後、寝不足など忘れてウキウキで依頼をこなし、ほとんど背負投げで相手を制圧していった。
それはもう、同行した谷崎が「急に元気になって逆に怖い!」と言い出す程の変わり様だったらしい。



一通り依頼が完了した夕方、Aは社員寮に帰る前に、帰り道の途中にある公園へと向かった。



「此処なら一人でゆっくりできるかな」



少しだけ一人の時間が欲しかったのだ。
誰にも邪魔されない場所で、今までのことと、これからのことを整理するために。



「異能力『夢現』」



異能力を発動させ、異能生命体の獏を呼び出す。
ハクと名付けた生命体は楽しそうに宙を飛び、それからAの膝に着地した。
ハクの白い毛並みを撫でながら考えるのは、毎晩見る悪夢のこと。



「思い出して、か……」



思い出すといえば、自分は国木田家に拾われた以前の記憶がない。思い出そうとしても一面の真っ白だ。



「小さい時の記憶を思い出せってこと?それとももっと深くの……両親のこと?」



過去は振り返らない主義だ。
けれど、今回ばかりは気になってしまう。



「唯一知っているのは、母親のこと」



『彼女はね、裏社会でも有名な"異能者"だったのだよ』



マフィアからの勧誘を受けたとき、首領はそう言っていた。



「どんな異能を持ってたのかな」



その時、ハクの青い瞳がAを見つめる。
何かを訴えるように見ていたが、Aはそれに気づかない。



「私の両親は、どんな人だったんだろう」



「A、こんなところに居たのか」



ふと、後ろから聞き慣れた声がした。
振り向くと、手帳を持っている国木田の姿が。



「俺も丁度仕事が終わった。帰るぞ」



「う、うん!」



Aは駆けだす。
自分の過去のことは、知りたいと願えば願うほど、分からなくなって辛くなる。
それならいっその事、考えないほうが良いだろう。
Aは国木田と共に歩きだす。
過去の真実から目を逸らして。



この決断は正しかったと言えるのか。
その時のAには分からなかった。

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設定タグ:国木田独歩 , 文豪ストレイドッグス , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります!これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いですね!応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです!これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません!こんな素晴らしい作品を書いて頂いて....  ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´・ω・`)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね! (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2023年2月18日 20時

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