検索窓
今日:34 hit、昨日:2 hit、合計:24,648 hit

165、忘れるな ページ20

目を開けると、どこまでも白い空間に立っていた。
夢だな、と直感的に理解する。




『この夢、前にも見たことあるような……』




「A」




突然、後ろから鈴のような美しい声で名前を呼ばれる。
ゆっくり振り返ると、そこには自分と瓜二つの顔の女が立っていて。




「ごめんね」




そう言って涙を流した。




『この人、誰なんだろう……』


 

前にこの夢を見たときは驚きで頭が回らなかったけれど、今なら冷静に考えられる。




「あなたは、誰なの?」




女の目を見て問うと、その人は悲しそうに微笑んだ。
桃色の唇が小さく動いた、その瞬間。




「お前の罪を忘れるな!」




「ッ!」




どこからともなく響く、大勢の声。




「私達はお前を許さない。罪を償え。償え償え……」




白かった筈の床はいつの間にか真っ黒に染まり、そこから無数の黒い手が自分に向かって伸びてくる。
それはだんだんと自分の身体を覆い隠していく。




「ッ、あなたは誰なの!どうしていつも私の夢に出てくるの!?」




目の前の女に向かって、あらん限りの声で叫ぶ。
自分に瓜二つの誰か、その正体をどうしても知りたくて。
しかし返ってきた言葉は。




「言えない。貴女が自分の力で探し出して。そして、思い出して」




そんな、無慈悲な言葉だった。
その間にも、黒い手は自分の身体を覆い隠し、息ができなくなる。
意識が途切れる直前。




「ッ、はぁッ、はぁッ……」




目が覚めた。

166、不機嫌の理由→←164、鴉の目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (67 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
187人がお気に入り
設定タグ:国木田独歩 , 文豪ストレイドッグス , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります!これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いですね!応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです!これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません!こんな素晴らしい作品を書いて頂いて....  ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´・ω・`)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね! (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺぽん | 作成日時:2023年2月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。