162、間に合わなかった ページ17
横浜全体に正午を告げるチャイムが鳴り響く。
１２時になってしまったのだ。
"陽が昇り切る頃、青色の瞳は血の如く赤色に染まり"
挑戦状の文章を思い出しAは顔をしかめる。
ここで抑え込まなければ悲劇が始まってしまう。
「くく、あはははは！残念だったなぁ探偵社！もうこの横浜は"終わり"だ」
水色の文字列が青年を包む。
そして彼は、腕に抱えていたナニカを地面に置いた。
その瞬間、二人は目を見開く。
地面に置かれたのはラグドール、写真で見た猫に間違いない。
「あれは…！ッ太宰さん！」
異能をかけられる前に保護しなければ。咄嗟に近づこうとしたが、太宰に手首を捕まれる。
「Aちゃん駄目だ。あの猫はもう異能にかかっている」
「そんな…」
猫の骨が、軋む音がする。
そしてその体が見たこともない程に巨大化していく。
まるで、
「化け物…」
猫がゆっくりと目を開く。
その瞳は血のように真っ赤に染まっていた。
声が震え、足元がふらつく。
「大丈夫。Aちゃん、昨日立てた作戦の通りに動くんだ」
「は、はい」
Aはポケットの中にあるソレをギュッと握りしめる。
「さぁ、楽しい悲劇の始まりだ！」
青年が叫んだ瞬間、凶暴化した猫が爪をむき出しにして太宰とAに飛びかかる。
それを後方に飛び退いて避けると、二人は目を合わせた。
「行って、Aちゃん」
「はい！」
昨日の作戦会議で太宰は言った。
『横浜をめちゃくちゃにするなら、まず襲うのは大通りだ』
『確かに、その方が人も沢山いますね』
『そう。だからAちゃんがまず向かうべき場所は…』
大通り。
路地を抜けたところには繁華街がある。
全速力で走っていると、人々の悲鳴が耳に飛び込んできた。
『まずい、遅れた！』
路地を出ると、沢山の人が逃げ惑っていた。
その中心には凶暴化した猫が牙を向いている。
「なんとかしないと…」
逃げ惑う人。
沢山の悲鳴。
猫が爪を出し、人に飛びかかろうとした。
その瞬間、
チリン___
猫の動きが、止まった。
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ぺぽん(プロフ) - 。さん» 読んでくださりありがとうございます。読者様の言葉が制作するための活力になります！これからも頑張りますね💪 (7月4日 5時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
。 - とっても面白いですね！応援してます (7月4日 1時) (レス) @page36 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます🥹そんなこと言っていただけて、私の方こそ感謝でいっぱいです！これからもこの作品をよろしくお願い致します🙇 (7月3日 8時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - ぺぽんさん» 私こそペぽん様に感謝しかありません！こんな素晴らしい作品を書いて頂いて.... ペぽん様のペースで良いので、更新頑張ってください(´･ω･｀)これからも応援してます(*⌒▽⌒*) (7月3日 7時) (レス) @page36 id: e073f8258e (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ココロさん» コメントありがとうございます、とっても嬉しいです🥰これからも皆様に楽しんでいただけるよう、全力を尽くしますね！ (5月30日 20時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぽん | 作成日時：2023年2月18日 20時
