【ツイステ】鬼を狩っていた監督生は【鬼滅の刃】

ある人の想い ページ4

「A」


ぼんやりと男は言った。

男が想うのは、この前戦いで死んでいった少女のこと。


傷だらけになりながらも最後まで戦った少女。


いつも元気で、明るくて、寂しくなった時にはいつも側にいてくれる。


『私は＿＿さんの事好きですよ！』


『ほら！＿＿さんあそこ行きましょう！』



『うんうん。＿＿さんの言ってる事分かりますよ！』


いつも口数が少ない彼は色々と周りから誤解されやすかった。


でも彼女は違った。



何を言いたいのか分かってくれて、誤解を解いてくれる。


そんな、



そんな彼女が好きだった。


いつかこの戦いが終わったら想いを伝えよう。



そう男は決めていた。



だが、それを言うことは出来なかった。


彼女が死ぬ前、彼は伝えた。


涙を流しながら、彼は想いを伝えた。


涙を流すのは、久しぶりだった。





「A」


もう一度男は言う。


男は目を瞑った。


何かを思い出すように、目を瞑る。


「A」

今度は震えた声で彼女の名前を言う。



何かを堪えるようにもう一度目を瞑る。








そして、男の頬に涙が溢れた。

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