37.気持ち ページ38
その夜、宿屋のラースの部屋
コンコン
ラース「おう、入っていいぞ」
シ「うふふ、少しお邪魔してもいいかしら？」
ラース「シルビアか。どうしたんだ？」
シ「さっきアタシ見ちゃったわ。マルティナちゃんとラースちゃんが手を繋いで祭りを回ってた所。
やっぱりアタシとベロニカちゃんの読み通りラースちゃんはマルティナちゃんの事気になってるんじゃないかしら？」
ラース「.....何の事だ？見当違いだと思うぞ」
シ「んもう！隠さなくたっていいのよ。普段のあなた達を見てたらわかるわよ」
ラース「......ハァ。確かに俺はマルティナの事を少し特別視してるがマルティナはきっと俺の事は大して気にしてないだろ」
シ「そうかしら？アタシにはマルティナちゃんもラースちゃんの事意識してるように見えるけど？」
ラース「面白がってみてるからそう感じるんだろ。あんな美人な人が俺なんか気にしねえだろ」
シ「まあ、マルティナちゃんの事は少し置いておきましょ。ラースちゃん、あなたの気持ちはどうなの？」
ラース「俺の気持ち？」
シ「ええ。ラースちゃんはマルティナちゃんの事特別視してるって言ったけどそれってどういう特別視かしら？」
ラース「そりゃあ.....好きって意味だ。わ、悪いかよ」
シ「うふふ、全然悪くないわ。寧ろ、とってもいいじゃない。アタシ応援する。二人はとってもお似合いだもの」
ラース「おもちゃにするの間違いだろ。それに本当はこんな事してる時じゃねえんだ。しばらくすりゃ魔王と戦う。それまでにこんな気持ちは消しておかねえとな」
シ「ちょっ、ちょっと！！どうしてよ！？いくらなんでも消す必要はないじゃない！いつかかならず伝えましょうよ」
ラース「駄目だ。俺は、傷つきたくねえんだ。断られるってわかってるのにこんな事したくねえ」
シ「まだ何もしてないじゃない。わからないわよ。その気持ちを消したら後悔するかもしれないわよ？」
ラース「そりゃあそうだがよ」
シ「ラースちゃんなら大丈夫よ。アタシ達が絶対にその気持ちを伝える場を作ってあげる」
ラース「マジかよ。なんでそこまで」
シ「アタシは二人に笑顔になってほしいの。その一番の方法があるんだから、そのためならアタシなんだってするわ」
ラース「......」
シ「それじゃあ突然ごめんなさいね。おやすみ〜」
ラース「ハァ.....」
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作者名：はるさめ | 作成日時：2020年1月7日 23時
