21.真実 ページ22
キ「俺は人魚が憎い。俺の子孫にはもう人魚の呪いで蔑まれるような人生は送ってほしくない。ようやく俺も船に乗れるようになったんだ。これ以上過去の呪いをむし返さないでくれ」
白の入り江
ロミア「おかえりなさい！ずいぶんお戻りが遅いから私とっても心配してましたわ！もしかしてあなた方にも何かあったんじゃないかと不安で祈りの歌を歌っていたんです。
それでどうでしたか？キナイは....私を迎えに来て....くれますか？」
イ「.........ロミア、ごめんなさい。キナイさんはもう亡くなっていたんです」
ロミア「え？....キナイが....死んだ？
何を....言っているの？イレブンさん。いや....よ。
そんな事ってないわ....」
イ「ロミアにこれを....キナイさんがこれを握って死んでいったらしい」
ロミア「え？.....キナイがこのベールを握って死んでいった？....ウソよ！！だって.....だってキナイは必ず迎えに来ると約束してくれた！
ごめんなさい、イレブンさん。私は彼の死をこの目で確かめるまでとても....信じられない。
あなた方にこのベールをくれた方と会わせてください！私をナギムナー村まで連れていってください！」
しじまヶ浜
ロミア「ここなら人が来ないようですから私はここで待ってます。何度もわがままを言ってごめんなさい。ここにその方を連れてきてください、どうか、どうかお願いします」
ナギムナー村
イ「キナイさん、ベールをロミアに渡してきたよ」
キ「そうか。嫌な頼み事をして悪かったな。お礼に俺が出来る事なら何でもしよう」
イ「じゃあ、この後しじまヶ浜に来てもらってもいいですか？」
キ「しじまヶ浜に？あそこには何も無いぞ？まあそんな事でいいなら早速行こうか」
しじまヶ浜
キ「こんな所につれてきて一体どうしたってんだ？」
ロミア「キナイ....なの？」
キ「ああ、俺がキナイだが、君は？」
ラース「.....月が出てきたな」
キ「！そんな、まさか....本物の人魚なのか？」
ロミア「.....あなた、キナイじゃないわ」
キ「あんたが探してるのは俺の祖父だ。あの人はもういない。ここで....死んだ。あれが祖父の墓だ」
その先には簡単な石でできたボロボロの墓があった
ロミア「！！？.....キナイはこんなさびしい所で......一人ぼっちで.....死んでいった。
人魚は500年の時を生きる、人間の一生は私達人魚にとって一瞬な事を忘れてたわ。.....あれからそんなにも時が経っていたのね」
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作者名：はるさめ | 作成日時：2020年1月7日 23時
