12.決意 ページ13
ガラッシュの村広場にて
ラースは座り込んでいた
ラース「............」
ザッザッ
ラース「....」ブンッ！
イ、マ「！」
ラース「！！すまない、マルティナ、イレブン」
マ「いえ、私達の方こそ突然ごめんなさい。夜も遅くなってきたしどうしてるかなと思って」
ラース「今昔の事を思い出していたんだ」
イ「昔の事？」
ラース「.....10年前まで俺はここで村の守人になるためにギルグードと毎日模擬練習をしていたんだ。俺は魔法こそあれど、力ではあいつに敵わなくてな。
村の人からもあいつの方が頼りにされていたんだ。だから俺は村の守人になるならあいつだと思っていたんだ。
でもギルグードはある日、この木の下で「お前は俺のライバルだ。だが親友でもある。だから2人一緒に村の守人になるぞ」と言ったんだ」
イ「ギルグードはいい人だね」
マ「ギルグードは君と一緒に守りたかったのね」
ラース「ああ、俺は嬉しくてな。絶対になろうとその日からさらに努力したんだ....。
だけどその2週間後、俺は村長に呼ばれて村長にこの村に伝わるシルバーオーブについて研究した結果、勇者に必ず必要な物であることがわかり、さらにこれは悪しき者の手に渡ると雷の如き力を得ると言われた。
村長は俺を村一番の戦士と認め、この村に勇者を連れてきてオーブに相応しい人かどうかを見極めろという任務を与えられたんだ」
イ「！！」
マ「じゃあギルグードとの約束は....」
ラース「守れなくなってな。その事実が俺には苦しくてじいちゃんにもギルグードにも言えずに次の日勇者を探す旅に出たんだ」
イ「じゃあラースは僕をずっと探していたのか」
ラース「ああ、もう村長も村そのものも無くなってしまったが村の宝シルバーオーブと使命だけはまだ残ってる。
だからイレブン、いや勇者様、明日の昼この場所で勇者様達のパーティーの力、村一番の戦士ラースが試させてもらいます」
イ、マ「！！？」
ラース「仲間達にも伝えておいてくれ、本気でいくぞ、と」
イ「......わかった」
マ「イレブン！」
ラース「それじゃあまた明日な」
そして夜が明けた
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作者名：はるさめ | 作成日時：2020年1月7日 23時
