ソロしてたら出会いました。【BTS】 (ページ16)

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JN side

自己紹介を終えてすぐ、この空気に馴染めている彼女。
それだけでもすごいのに、あの人見知りなジョングガにこの短期間であんなになつかれているんだから、本当に彼女の魅力は計り知れないなと思う。

彼女の事は、僕は自分で見つけたつもりだ。
マンネラインはナムジュナから教えてもらって知ったそうだけど。
他のグループのアーティストを見たり聴いたりするのが好きな方の僕は、アップされていた彼女のデビュー曲のMVをたまたま公開されてすぐに見ることが出来た。

勿論、凄かった。
少女特有のあどけなさを見せたと思いきや、別人のように強い顔をするから。
一本のMVに何度も姿を変えて現れる彼女のいくつもの姿を、同一人物のものだとはなかなか信じられなかった。

それに、その表現力にばかり注目が行きがちなのも分かるけど、彼女は歌声も素晴らしいんだ。

曲調によって、歌い方や声質を変える。

僕を含むボーカルなら皆、誰だって意識することであり、誰だってぶつかる壁だ。

けれど彼女はこれだって本当に、同一人物と思わせないほどに完璧に変えられる。最早、操っているようだ。

『ジンさん、今大丈夫ですか？』

じっと彼女を見つめすぎてしまったか、彼女の方から声をかけてくれた。

JN「うん、暇だったから僕のところに来てくれて嬉しいよ。もしかしてAちゃんの事を見つめすぎちゃったかな？」

『視線は感じましたが……それほどでもなかったですよ。ジンさんは……本当に、息を吐くようにイケメンな発言をされますね、』

くすり、と小さく笑いながらも自然に返してくれる。その笑みが苦笑いに見えるのはオッパの気のせいかな？

JN「年上だからって、そんなに固くならないでよ。ジンオッパ～って気軽に呼んでね」
『わ～私誰かをオッパって呼ぶの初めてです、よろしくお願いしますジンオッパ』

あれ、オッパ呼びって最近の女の子は特によく使うと思うんだけどな。
と思ったけれど、そうだ、彼女はそういった世間体に囚われない。彼女は彼女のままを生きている。

TH「あー！ジニヒョンだけオッパって呼ばれるのずるい！！」
JN「こらテヒョナー、ヒョンは年上だから仕方ないぞー？」
『テテはテテでいいじゃない、呼びやすいから好きだよ私。あ、ジンオッパ。私ジンオッパに聞きたいことがあるんですけど』

未だに悔しがるテヒョナをサラッと流して話を切り出すAちゃん。ごめんな、オッパ呼びは僕だけの特権みたいだ。