迷えるあなたに ｰStrayKidsｰ

SM:離れた時には ページ33

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初めは、本当に優しい人だった。

SM｢A、今日のメイク可愛いね｣
『ほんと？ありがとう』
SM｢せっかくもっと可愛くなってくれたんだし、どっかデート行こっか｣

紳士的で、でも可愛くて。
そんなスンミンと一緒にいれて、幸せだった。

『今日の服どう？』
SM｢あれ、それ僕がこの前買ったワンピース？やっぱりめちゃくちゃ似合うね、可愛い｣
『スンミンのおかげだよ、ありがとう！
ね、今からどっか出掛けない？まだお昼前だし、この間言ってたオシャレなカフェとか……』
SM｢……ああ、ごめんA。今日ちょっと僕お腹の調子悪くてさ、行ってから楽しめなかったら嫌だからまた今度にしてもらえないかな｣
『そっか……？うん、分かった。じゃあ今日は家でゆっくりしてよっか』

ある日感じた小さな違和感。
それを見逃さずに突き詰めていたら、こんな事にはならなかったのかな。

SM｢あれ、A？どこ行くの｣
『同窓会だよ！昨日説明したじゃん』
SM｢そうだっけ？……でもそこ、女の子だけじゃないよね｣
『……まあ、同窓会だし……そりゃあ同じクラスだった男の子とかもいるけど……』
SM｢……んじゃあだめ。きちんと昨日覚えてなかった僕も悪いけど、こんな可愛いAを男がいっぱい居るところに出せないよ。僕が電話するから、今日はキャンセルして？｣

重いな、と思ってもその気持ちをかき消すように甘く甘く愛してくれるから、私はこうなるまで気づけなかった。

SM｢……ねえ｣
『どうしたの？』
SM｢これ、付けててくれない？｣
『っ……な、にこれ……GPS……？』
SM｢そう、録音機能付きのGPS。やっぱりAがいつどこで何してるか、僕も分かっていないと怖いから｣

どうしよう。
そう思った時には、もう。

『っは……や、め……！！』
SM｢これでもう、僕以外の男と話さないって約束する？｣
『する、するから……おねが……っ！』
SM｢でもA、前もそう言ってたのに今日話したよね？やっぱりこれだけじゃあ、僕がどれだけAを大事に思ってるか伝わらないのかなあ｣
『っ！？や、まって、スンミン、わかって……！！』

首に込められた力に意識が遠くなりながらでも、脳内に浮かぶのはスンミンばかり。

ああ、いつから？
いつから、こんな事が日常になったっけ……？

『……ねえ、スンミン』
SM｢ん？どうしたの｣
『スンミンは、私をどうしたいの』

震える声で聞いた。
スンミンは、一瞬目を伏せて、

SM｢ずっと、愛したいよ｣

そう言った。

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