迷えるあなたに ｰStrayKidsｰ

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思い出せなくて頭を悩ませてる私に、リノさんが見かねて｢君がいいなら、｣と話し出した。

LK｢俺かジソナから断片的に聞くのが一番いいと思う。今ジソナの魔法を解除して一気に記憶が戻ったら、そのショックで君死ぬかもしれないし｣
HN｢まあ、確かに……｣
『そんなに酷い目に遭ってたんですか私……』

ショック死ってよっぽどじゃない？どうしようそんなにホラー得意じゃない。けどそんなことを言う暇もないし、とりあえず二人から結論だけ聞くことにした。

LK｢じゃあ結論から言うよ。君は事故に遭った｣
『事故……』
HN｢そう。交通事故だね、自転車に乗って夜道を走っていた君に飲酒運転していたトラックが突っ込んだ。俺たちは姿を消しながらその瞬間を見てたけど……正直、その怪我と出血量で無事かは分からない｣
『え？怪我？』

そう言われて、慌てて自分の身体を見ると、

『え……っ、なに、これ……』

白いパーカーのお腹の部分が、黒っぽい赤色で染まっている。スラックスは黒いからよく分からないけど察しはつく。
パーカーを捲って確認する勇気はなかった。

HN｢痛みは魔法で感じなくしてる……から、今君は特に何も感じないと思うけど……｣
LK｢まあ、俺たち吸血鬼だから、練習した魔法は使えてもさすがに命を復活させるのは無理だし、そういう意味では別に君は死んではないんだろうけど｣
HN｢でも、それも今だけかもしれない。今は俺の魔法で記憶と痛みを消して、ヒョンの魔法で怪我の進行を止めてるだけ……だから｣

なるほど、ジソンさんが言葉を濁す理由は分かった。つまり、このまま吸血が終わって元に帰されても私が生きてる保証はないってことか。

LK｢はい、これが君がここに来るまでの状況でした。ってわけでどうする？｣
『……どう、するか……』
LK｢血を吸われて元いた場所に帰るか、このまま吸血鬼になるか｣
『……帰るか、吸血鬼になるか……？』

急に人生を終わらせるかもしれない選択を迫られて、もう頭はショートしたがっている。
このまま戻っても、今の私は傷だらけで死ぬかもしれない。死んでからこの2人に会うのは……と思って聞いてみたら無理だった。ですよね。

『どうしよう……』
LK｢とりあえず、血吸われてから考える？｣
『えっ』
HN｢もーヒョン！我慢できてたと思ったのに！｣

ジソンさんが呆れながら制止しようとして、

『待って、』

思わず声に出していた。


(続きます)

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