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バイト終わりのこの時間を、一日の楽しみの一つとするようになったのは一体いつからだろうか。挨拶代わりにピンポンを押して、一応返される短い応答を聞いてからドアを開ける。最近になって私が来る時のこの応答が素っ気ないものに変わってきて、それが嫌な訳ではなくむしろメンバーの皆さんと近い扱いなようで、逆に嬉しく感じる私は若干歪んでいるのかもしれない。
『お邪魔しまぁぁぁす』
シルク「声に張りがねぇ!!シャキッとしろぉ!」
『え……16時間休憩なしで働いてきた人にそんな事言うなんて……シルクさん鬼畜……帰ります……』
シルク「んぇぇえ!!?ごめんごめん!!」
マサイ「っていうか待て、今16時間休憩なしつった?」
『言いましたねーさーあ皆さん今日の晩ごはんはハンバーグでーす』
遠慮の欠片もなくドサッと荷物を廊下の隅に下ろしていざ料理。と思ったのもつかの間。
モトキ「あ、Aちゃん。今日は晩ごはん大丈夫だよ」
『え?……あ、もしかして』
モトキ「さすが〜、察しがいいね」
ニヤニヤと笑うモトキくんにあー、と確信を抱く。
実はこの間も、今日のように材料を買ってきたにも関わらず私が晩ごはんを作らなかったことがあった。その理由はまあ新企画で。【ムキムキ料理音痴クッキング】という、どこかのゲームタイトルにありそうな恐怖の企画。
『前回のなにげ美味しかったんだよな……なんで……?』
マサイ「まあ俺は……もういいけど」
ンダホ「マサイ塩分多すぎたみたいで、あの後倒れちゃったんだよねw」
『え!!?何やってるんですか!?もうこの企画マサイさん実食NGじゃん……』
身体強くないんだろうなとは思ってたがまさかそこまでだとは思わなかった。いや、この場合マサイさんじゃなくてあの料理を問題視するべき?
ザカオさんが来たらすぐに撮影を始めるそうで、シルクさんは料理……する訳もなく相も変わらずスマブラ。ほんとここんとこ毎日してんなこの人。っていうか全員。
『モトキくんモトキくん、』
モトキ「んー?」
『……今日は何作って頂くんですか?』(小声
モトキ「ラープガイですね」(小声
『ラープガイ……あ、ひき肉の』
モトキ「そうそう!よく知ってるね」
『おばあちゃんがよくいろんな国のお料理作ってくれてて。いやでも……前回より難易度めっちゃ高くなってない?』
モトキ「うーんどうだろう……?まあビーフストロガノフよりは難しいかもねw」
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いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます!気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ!…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ!!!更新待ってます! (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます!そしてなんて嬉しいお言葉……!これからも頑張ります! (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます!!嬉しい限りです、これからも頑張ります!(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごだいふくlike | 作成日時:2018年12月5日 22時