＊1. ページ3
ﾏｻｲside
.
ｼﾙｸ「どうもFischer'sシルクです」
ﾝﾀﾞﾎ「ンダホー！」
ﾏｻｲ「マサぁイ」
今日で二本目の撮影。
にも関わらず特に疲れてもない辺り、俺達も随分とYouTubeに慣れてきたということだ。
挨拶と前フリを終えて、一旦カメラを止める。
頻繁にカメラを止めて裏で準備、きっちり細部までこだわってから録画を再開、というのはYouTuberあるあるで。視聴者からすれば毎日の動画よりもこういうところの方が新鮮で、面白いんじゃないかなんて思っていた時。
ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
ｼﾙｸ「ん？今日誰か来るっけ？」
ﾏｻｲ「いや……あ。違うわ………………？」
今日来るメンバーはもう揃ってるし、誰かと思って画面を見ようとして、そう言えば家の前のインターホンだから画面が見れないということに気づく。仕方なしに足音を消してドアの前まで向かい、ドアの小窓から向かいを覗く。
……女性。ではあるが、【俺が想像していた最悪のケースに当てはまる】女性とは違い、随分とご高齢な女性だ。であれば、大丈夫だろうか。
ｼﾙｸ「……おい、大丈夫か？」
ﾏｻｲ「覗いたら、お婆さんだった。だから大丈夫だとは思うけど」
ｼﾙｸ「お婆さん？なんで？」
険しい顔のシルクが近くまで来てくれ、見たことを伝えるとさらに額にしわが増した。まあ気持ちは分からなくもない。
ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
ﾏｻｲ「……開けるか、」
ｼﾙｸ「一応、気つけろよ」
ﾏｻｲ「おう」
確認するような二回目のインターホンで、ようやく覚悟を決めた。はーい、とわざとらしく声を上げてドアを開ける。
ﾏｻｲ「すみません、風呂を掃除してたもんでなかなかすぐ出れなくて」
「ああいや、そんな大層なことじゃないからいいんですよ。むしろごめんなさいねえ、お忙しいところわざわざ。
私はあなたの所の左に昨日越してきたAと言いまして、ご近所さんに引っ越しのご挨拶をしているんですよ」
ああなるほど、と納得してよろしくお願いします、と渡された紙袋を受けとる。それから少しこちらの紹介をした後、
「ああそうそう、実はさっき作った肉じゃがが多すぎちゃってねえ。もしお嫌いじゃなければもらって頂けるかしら」
ﾏｻｲ「え、いいんですか？」
容器はそのままあなたが持っててちょうだい、とご丁寧に肉じゃがまで渡された。さっき、という言葉は本当なのだろう。
お礼をいうと、にっこりと優しく笑ってお婆さんは帰っていった。どこか優しさのある、素敵な笑顔だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 364人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます！気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです！ (2019年8月27日 16時) (
レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ！…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ！！！更新待ってます！ (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます！そしてなんて嬉しいお言葉……！これからも頑張ります！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております！ (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます！！嬉しい限りです、これからも頑張ります！(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごだいふくlike | 作成日時：2018年12月5日 22時
