ご近所付き合いはじめました。【Fischer's】

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ﾝﾀﾞﾎ「どうもFischer'sンダホです！」
ｼﾙｸ「シルクです」
ﾀﾞｰﾏ「モトキです」
ﾓﾄｷ「モトキです、っえ？」

少し遠くから聞こえてくるやり取りにどうしても笑いが込み上げてきて、つい声が漏れてしまう。何度も聞いたやり取りも、その面白さが褪せることはないようだった。

そう、先ほどまで私はカメラの近くで撮影を見させてもらっていたのだが、今のように笑い声を出してしまうので、結局撮り終えてすぐのノー編集動画を見させてもらう事になった。まあFischer'sの動画に女性の声が入ればどうなるかは、自分も一視聴者なのである程度の察しはつくし。

しかしこの間、私は何をしてようか……。
問題はこれなのである。晩ごはんの洗い物は済ませたし、他に家事をしようかと思ったものの、掃除をしようにも洗濯をしようにもあまりにプライベートな領域過ぎて躊躇いが凄い。こんなのもう彼女同然じゃん。
けれど何もせずにボーッとしているのもあまりに無能だし、と考えた結果。

ﾏｻｲ「……あれ？Aさん、また何か作ってくれるの？」
『あ、はい。大したものじゃないんですけどね』

少し慣れてきたシルクさん宅のキッチンに材料を並べ始めると、ちょうどのタイミングでマサイさんが廊下から顔を覗かせた。そういえばマサイさん、今日は編集に専念するって言ってたっけな。

『皆さんが撮影されている間に作っておいて、後で食べてもらえたらと思って』
ﾏｻｲ「これもしかして、プリン？」
『そうです！凄いですね、材料見ただけで分かるなんて』

さっき家に一旦取りに帰った材料達を一瞥して、すぐに目的の品を言い当てたマサイさんはやはり“料理出来る系男子”なんだな、と思ったのもつかの間。

ﾏｻｲ「いや、前に撮影で巨大プリンをダホが買ってきた時にプリンの材料一通り調べ
たりしてみたから……作ったことはないよw」
『あぁ、その頃ってまだ前のお家でしたよね？』

なんて話しながら私の方は手を動かしているんだけど、どこか違和感を感じる。キッチンにでも材料にでもなくて、マサイさんに。

『……あの、マサイさん。お仕事の方は、大丈夫なんですか？』

こうして二人で話すことが嫌なんて事は断じてあり得ないけれど、それにしても距離感そんな近かったっけ、という動揺は正直もうこれ以上隠せそうもない。
マサイさんは少し黙ってから、爽やかに微笑んだ。

ﾏｻｲ「大丈夫。よかったらさ、作り方教えてほしいんだけど」

一瞬心臓が止まったようだった。

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