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まさか、こんな日が来ようとは夢にも思わなかった。いや、思えなかった。
マサイ「へぇ……大根ってそうやって選ぶんすね……」
マサイ「あ、これ俺好きなんですよ」
マサイ「荷物貸して下さい、俺が持ちます。
荷物持ちまでAさんにやってもらっちゃうと、いよいよ俺の役目ないんで」
まさか私がこんなイケメンと買い物に来る日が来ようとは……ってさっきからこれにばっかり浸ってるからやめよう。()
沈黙が続いて気まずくなるんだろうな、と思いきや全くそんなことはなく、マサイさんの方から話をいろいろと振ってくださるおかげで私の想像の5倍は和やかに過ごせた。
『マサイさん、』
いつも私が動画で見る彼はよく話すイメージがないから、もしかしたら気を遣ってくれているのかもしれない。そう思うと、何かお礼の一つはしないと、と思ってさっきこっそりカゴにコーラを入れておいた。
『これ、今日のお礼です』
マサイ「え?」
いろいろと気を遣って頂いたので、と言うとマサイさんは「えええ……」と驚いたままなかなか受け取って下さらず。
遠慮しないで下さい、私の勝手な行動なのでと言うと、ようやく控えめな動きで受け取られた。
マサイ「…………」
『……マサイ、さん?ひょっとして、コーラ苦手ですか?』
マサイ「いや、そういうことじゃなくて……」
コーラを見つめたまま、しばらく目線を動かさないマサイさんに、いつかのセカンダリで見た彼がコーラ好きだという記憶は間違っていたのか、と焦りが込み上げてくる。嫌な予感をそのままに聞いてみたものの、どうやらそうではないらしいから、ホッとしたような、余計に怖いような。
そこから少し経ってから、マサイさんがふっと顔を上げて、こちらを見てきた。
マサイ「あの……俺とも、仲良くしてもらえませんか?」
『………え?』
俺とも、仲良くしてもらえませんか、って?
俺“とも”というワードも気になって、しばらく私が首を傾げていると、マサイさんは一息ついてから口を開いて下さった。
マサイ「……買い出しに行く前、Aさんとシルクが話しているのが聞こえて、めちゃめちゃ仲良さそうで……一応、お隣さんとして住んでるのは俺だし、もしよかったら俺ともシルクみたいに接してもらえないかな、って……」
それを聞いた瞬間、何とも言えない可愛らしさを感じて嬉しくなった。仲良くさせてもらえるなら、それを選ばない理由なんて勿論ない。
『こちらこそ、よろしくお願いします』
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いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます!気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ!…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ!!!更新待ってます! (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます!そしてなんて嬉しいお言葉……!これからも頑張ります! (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます!!嬉しい限りです、これからも頑張ります!(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごだいふくlike | 作成日時:2018年12月5日 22時