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タメ口でいい、と言われたもののいざ実践するとなるとまあこれがまた難しい。
『シルクさん、よければデザートとかどうですか?』
シルク「え、欲しい!あと敬語ね」
『あ……み、ミルクティーのプリンなんだけど!いる?』
シルク「いる!」
けれどしっかりタメ口にすると満面の笑みと共に言葉を返してくれて、ああ動画で見るよりもずっとキラキラとしていて、そして無邪気で、初めて彼と直接出会えた今日という日に感謝した。
シルク「え、うっま!」
『よかったで……よかった!お菓子作りはおばあちゃんはめちゃくちゃ得意だし、私も好きで』
シルク「へぇ……これ手作りってまじですげぇと思う……!そういえば、前も菊子さんと杏仁豆腐の話とかしてなかったっけ?w」
『え?』
前……っていつ……?
シルクさんと以前直接お会いことなんてあったっけ……?いやあったら視聴者でもある私が忘れるはずがない。はず。
私が顔をしかめていると、シルクさんは何が面白いのか、大きな声で笑いだした。
シルク「覚えてない?w
ここの近くの曲がり角でぶつかったんだけど」
『曲がり角……あぁ!!』
思い出した。そしてあのとき思い出せなかった、既視感の理由も分かった。何故あの時分からなかったんだろう。
『あの時の方々って……!』
シルク「そ。俺と、確かマサイだったかな」
『マサイさんも……!!』
うわぁ何これすごいな自分……!!()
まさか曲がり角でぶつかったのがイケメンだったっていう、恋愛マンガあるあるがあの時自分の身に起こっていたなんて考えられない。まあこんな事ご本人には口が裂けても言えるわけがないのでもちろん墓場まで持っていくけど。
感傷に浸っている私がおかしいのか、また大笑いしたシルクさんの元に、ちょうどマサイさんが来た。と同時に、時計を見やる。そろそろお開きの時間かな、と思っていた瞬間。
マサイ「あの……Aさん」
『はい?』
マサイ「鍋って……まだ作れたりしますか?」
『え?』
お開きとは程遠かった。
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いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます!気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ!…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ!!!更新待ってます! (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます!そしてなんて嬉しいお言葉……!これからも頑張ります! (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます!!嬉しい限りです、これからも頑張ります!(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごだいふくlike | 作成日時:2018年12月5日 22時