BTSと一緒にしないで (ページ11)

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グッバイステージ。
それは、カムバック(正式にはそれ以前の告知段階)からずっとこの曲を、私を愛して応援して下さった方々への感謝を最大限に表すべき場。

そう思っていたはずなのに、

スタッフ｢それでは、HΛLさん、BTSさん、よろしくお願いしまーす！｣

どうして私は今彼等の横でステージ披露前のトークタイムの椅子に座っているのだろうか。

これまでは徹底して颯がこのような場やバラエティ番組を避けてくれていたし、BTS側も決して私と関わることをせずにいてくれた。なのに、何故。

然しながらそれは私の横に動揺しながら座る彼等の顔を見ても答えは分からない。一つ言えるのは、今私が彼等を見て何も分からないということは、きっと彼等も何も知らないということだ。

予想出来る理由は二つ。一つは、番組側が私達が共演しない間柄であることを把握していなかったから。もう一つは、番組側は知っていて尚視聴率の為に強行しても何ら問題は無いだろうと考えているから。

未だ動揺し撮影を渋る彼等。
今のBTSの言葉でさえ届かないのだから、新人の私の言葉等聞こえないに等しいだろう。

……今のBTSの声も届かない……？

ということは、それ程の【権力者】がいる、？

RM｢…あー、HΛL、さん｣
『ああ……何だか予期せぬ事態となりましたが……この場は仕方ありません。今のBTSさんの声ですら届かないのですから、変えようがない現実なんでしょう。新人が偉そうな口をきく事をお許し頂きたいのですが、今だけは私のことは気にせず、番組を成立させて頂けませんか』

椅子から立ち、頭を下げる。
すると慌てたようにRMさんが立ち上がって頭を上げてください、と言った。

RM｢僕達は、勿論そのつもりです。このピンチ、一緒に乗り越えましょう｣

こうして、実現するはずも無かった共演が始まった。