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クリーム ページ9
もうテレビは消してあった。
二人きりの部屋にはなにも音が無くて、
一瞬、また一人の頃に戻ったかのような感覚になる。
でも隣にはちゃんとしげが存在してる。
触ることもできる。
話すこともできる。
しげは買ってきた白い箱を開けてケーキを食べ始めていた。
あ、食べることもできんのか。
「…しげは俺のこと心配して戻ってきたんやろ?」
「おん、おっ、うまー♡」
「その、まぁ、いつまでおれる、とか?…分かってんの?」
「んー、わからんわ」
そう言って、フォークを置くしげ。
まだ半分残っているショートケーキと、
その上に残っている苺。
しげっぽいな、貧乏性好きなものを最後に残すんや。
「やけどな、」
「俺、もう帰らんとこうかな(笑)
…ずっとここにおるわ」
満面の笑み。
口の端にクリーム付けて。
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作者名:葉瑠 | 作成日時:2019年2月23日 7時