愛しい君へ3

･ ページ21

ar side



圭人に留学したいことを相談された時、正直驚いた。


10周年を迎えてまだまだこれからって時に留学。


だけど、圭人も圭人なりに色々考えて、悩んでいることを知った。


今までここまで強い意志を持った圭人を俺が見た事がない。


それほどまで強い思いを聞いたあとでは、やめろなんて言えなくて


むしろ応援したいと思った。


だけどやっぱり予想通り山田だけはきっと最後まで納得していなかっただろう。


おかげで圭人からは山田とあまり話さなくなったと相談される始末。


だから山田と楽屋で2人になったタイミングで聞いてみた。



｢山田、お前最近全然圭人と喋ってないだろ？｣


ym｢え？｣


｢あいつ、気にしてたぞ｣


｢山田と話せないって｣


ym｢…ぇ、いや、だって…｣



なんかブツブツと言っているが全く聞こえやしない。


すると予想とは違った答えが返ってきた。




ym｢だって、今沢山喋ってたら会えなくなった時寂しいだろ？｣


｢…へ？｣



今の山田は表すなら、まるでこれから遠距離恋愛するような恋人。


恥ずかしいのか目がうるっとして顔も赤い。


なんて言うか、今の山田…



｢おまっ、かわいいなぁ｣


ym｢っ！はぁ！？可愛いわけないだろ！？｣



やべぇよ、山田。


これが俺じゃなかったらコロッといっちまうところだったじゃねぇか！


今の圭人に見せてやりてぇ


なんて思ってたら



kt｢やまぢゃぁぁぁぁあん！！｣



泣きながら圭人が入ってきた。

･→←理由

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す