愛しい君へ

･ ページ5

ar side




最近、山田を見て思ったことがある。



ひとつは元気がないこと



ひとつは目の下にクマがあること



これは忙しいからなのかと思ったけど最近はドラマも映画も落ち着いているはずだから、理由がわからない。



そして俺がいのちゃんとかほかのメンバーと話してると悲しそうな目で見てくること。



なぁ、やまだ……そんなんじゃおれ、勘違いしちゃうよ？



もしかしたら、まだ俺の事好きなんじゃないかって……。



そんなはずないのに…、ばかだよな、おれ……。



今は楽屋に1人。誰も撮影から戻ってこない。



暇だと色々考えちゃうから早く誰か帰ってこないかなと思っていると



机に置いてある山田のスマホが光った。



｢……ぇ、｣



なに……これ



スマホの画面の通知欄に



プロデューサー"涼介くん、有岡くんとは別れた？"

プロデューサー"早く別れないと有岡くんの仕事、なくしちゃうよ？"

プロデューサー"今日もいつものホテルでね"



｢っ、なんだよ……っこれ…｣




じゃぁ、山田が別れたのって、まさか……っ？




ｶﾞﾁｬｯ



運がいいのか悪いのか、山田が戻ってきた。




山田は俺の顔を見て一瞬驚いた顔をした。




それもそうだ。だって今の俺絶対すげぇ怒った顔してると思うから




｢……なぁ｣




ym｢…ぇ、なっ、なに？｣



話しかけられるとは思ってなかったのかびっくりする山田



｢これ、どういうこと？｣



そう言ってスマホの画面を見せた。
すると山田はみるみる顔が真っ青になっていった。



ym｢ぇ、ぁっいや、これは……そのっ、｣




なんて言おうか言葉に詰まってる山田に近づく。
山田は後ずさりしていたがとうとう壁までたどりついて逃げ場がなくなった山田の手首をつかみ壁にぬいつける。



｢どういうことが聞いてんだけど｣


自分でも驚くほど低い声でそう言うとビクッと肩を揺らす



ym｢だぃ…ちゃんには…、関係ないっ……｣




｢……｣



なぁやまだ。そんな顔でそんなこと言っても無駄だよ？



顔に書いてあるじゃん。



たすけてって。



ちょっとくらい俺に頼ってくれよ。

･→←･＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す