5話 ページ6
「ねぇ！蓮！連絡って言う字はこう！
どうしてそんなにおバカさんなの〜(笑)」
おバカさんは失礼だけど、
Aが笑ってくれるなら、
おバカさんでもいいかも。
「あ、もうこんな時間か。
蓮、そろそろ帰るぞ」
Aの家で勉強をしていると、
あっという間に時間は過ぎる。
「じゃあまた明日ね！」
いつも通り玄関まで出て見送ってくれるAに手を振り、
翔太くんと家まで帰る。
「ねぇ、翔太くん。」
「ん？」
「2人が高校行っても、
俺と変わらず仲良くしてくれる？」
「当たり前だろ。何言ってんの。」
「ねぇ、翔太くん。」
「なーに。」
「翔太くんってAのこと好きでしょ。」
「はぁ？！な、何言ってんだよ。」
わかりやすい。
「あんまりもたもたしてると、
俺Aのこと奪っちゃうよ？」
「お前もAのこと好きなの？」
お前"も"ね。
「好きだよ。
"幼馴染み"としてね。」
「はぁ？！
お前なんなんだよ！びっくりした〜！」
口は悪いけど笑ってる。
俺が翔太くんについた初めての嘘。
本当は"幼馴染み"としてではなく、
"恋愛"としてAが好き。
でも2人が幸せになるなら、
この嘘は墓場まで持って行くよ。
「でも"恋愛"として好きになる可能性は、
ゼロではないよ？
翔太くん、もたもたしてるんだもん。」
「おい！お前！
わ、わかってるよ！」
「じゃあまた明日！」
焦る翔太くんに手を振り、
家に入る。
はぁ…ホントおバカさんだな、俺は。
好きな人に好きって、
伝えてないのは翔太くんだけじゃなくて、
俺もなのに。
いつも一言付け加えて、
自分を守るんだ。
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作者名：覇瑠 | 作成日時：2020年2月23日 22時
