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Re:9話 ページ10

「…これ、持っておいて」

『これは?』



太宰幹部から渡されたのは小型の機械。


「小型の無線機(トランシーバー)。何かあったら呼んで」

『…分かりました』



ってこたァなんかあるってことやんかフラグ立てんといてや!

取り敢えず待ち合わせ場所まで急ぐとしますか。



裏路地



待ち合わせ場所が裏路地とはねぇ、さすがマフィア。あ、マフィア関係ないか。

というか全然関係ないけど森さん本当に事務仕事しかやらせんk

サッ

ヒュッ

『随分物騒ですね?』



不意に背後に寒気がして、咄嗟にしゃがんだ直後に刃物(ナイフ)が飛んできた。



「流石は“梅島”Aだね」

『“梅島”!?な、んで知ってるの?』



そこでバッと後ろを見ると



『北芝海叶…!』(きたしばかいと)



姿は違うものの声、雰囲気があいつとおんなじだった。

憎しみが溢れそうだが落ち着かせて書類を渡す。



『はい。森さんに頼まれたやつ』

「ありがとう」



あいつがふわっと笑う。だが私にはねっとりとした気持ち悪い笑みにしか見えなかった。

…私が殺される直前、私の家族をあいつが殺したときに見たあの笑み。



『お前は今誰と行動をしている?』

「今は“魔人”と行動をしてる」

『ドストエフスキーと?』



予想が正しければ…



「そうだ。条件付きでね」

『その条件…真逆!』

「“互いの持つ情報を教え合う”合理的だね。…僕は君が“未来を知る少女”ということを伝えた」

『手前!』ガシッ



こいつの胸ぐらを掴む。



「何?殺すの?」



飄々とした態度で云う。



『当たり前だ!』

「でも今僕を殺したら、君と親しい者の君との記憶が“ 消 え る ”」

『は…?』

「僕の異能は記憶干渉するから、“異能無効化”が唯一の解決方法。其れだけ云っておく」



記憶が消える…?私に関わったら…?



『ッツ!今すぐ解除して!』

「嫌だね。君が僕と結ばれるなら解いてもいい」

『誰が手前みたいなヤンデレと結ばれたいんだよ!』

「交渉決裂か…じゃあ解除は無理だ。またいずれどこか出会うことになるだろうね」

『ちょ、まて…っくそ!』



このままじゃ全て消える!

無線機をオンにする。

ザザっという音と共に、治兄ちゃんの声が聞こえた。



《はーい。何かあった?》

『み、みんなの記憶が改竄される!』

《ちょっとちょっと。話が読めないから》



私は掠れ声で、震え声で云った。



ーー『皆の中から私が消える!』ーー

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りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2019年8月16日 1時) (レス) id: bd39a087a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はさき | 作成日時:2019年8月15日 14時

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