昔話 ページ29
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「まず、わかってると思うけど風邪気味でもなんでもない。」
「…え、」
「……え？」
…わかってなかったのか。
「…いや、わかってた。」
………まぁいいや。
「…話戻すけど、私が病院にいたのは、風邪だからじゃない。
………お見舞いに行ってたの。」
「…誰のだ？」
「…………妹。」
轟は面を食らったような顔をした。
「…妹いたのか。知らなかった。」
「聞かれなかったからね。」
「そうか…で、どっか悪いのか？妹さんは。」
私は目の奥から込み上げて来るものをなんとか堪えて、
重くならないように少し笑った。
「…目ぇ覚まさないんだよねぇ。
もう、４、５年くらい。」
轟がはっと息を飲んだのがわかった。
「…息はしてるんだけど、一向に目を覚まさない。
…ううん、覚ましてくれない。
嫌なのかなぁ、覚ますのが。」
本人にその気がなければ、覚めない。
そう言われた。
…もう、そんなに経つんだ。
「……原因は？」
「えっと………」
その時、頭が鈍く痛んだ。
「いっ……」
思わず頭を抱えた。
「…大丈夫か…？」
轟は心配そうに私を覗き込む。
「っ、…ごめん、大丈夫……何の話だっけ。」
「妹さんの…」
「あぁ、そうだ……あれ？」
………思い出せない、どうしても。
「…ごめん、ちょっと思い出せないから思い出したら言う。」
「…そうか、わかった。」
…ちょっと思い出せないだけだ、多分。
すぐに思い出すだろう。
「俺はお前の妹じゃねぇからわかんねぇが。」
不意にそう言った。
「…目を覚ますのが嫌、とかじゃないと思う。
……お前に、こんなに思われてるんだ。
嫌なわけない。」
………素直に、嬉しかった。
「…そうだといいんだけど。」
強がってこんなことしか言えなかったけど、
ちょっと気を抜いたら涙が出てきそうだった。
「…轟、この話、誰にも言わないで。」
「…何でだ？」
さぞ不思議そうに私を見た。
「…あんまり知られたくないんだ。こういうの。」
「……そうか。わかった。」
苦しかった気分が、軽くなった。
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まうる - 大好き！応援してます。 (2021年11月12日 17時) (
レス) id: c408544a16 (このIDを非表示/違反報告)
ここな(プロフ) - 私は文章は書けないし、こんなに沢山の人がお気に入りにしてる程の文章が書けるなんて凄いと思う。言いたいことを〜の人とUJって人は別人を装ってるけど同じ人でしょう。ＩＤ同じだものね。いちいち文句書き込んだり、考えが浅い。 (2019年4月10日 8時) (レス) id: d86714caa1 (このIDを非表示/違反報告)
ここな(プロフ) - 1次創作も2次創作も、それぞれの作者の世界観で書いてるから、当然合うもの合わないもの人それぞれ。この小説を読みに来てる人はこの世界観が好きなわけだ。合わないなら見なきゃいいだけ。 (2019年4月10日 8時) (レス) id: d86714caa1 (このIDを非表示/違反報告)
豆花 - ここなさんと同意見だわ。だったらちゃんとしたストーリーで小説書けんのかよって思うwwちなみに自分は驚くほど文才と語彙力ないから無理だわ(つまり作者さん凄い)ww (2019年4月10日 0時) (レス) id: 9cf03f9072 (このIDを非表示/違反報告)
豆花 - このコメとは関係なしにこの作品好きだから、作者さんこれからも頑張ってくださいね。応援してますよ！ (2019年4月10日 0時) (レス) id: 9cf03f9072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミナ x他1人 | 作成日時：2018年9月1日 16時
