大嫌いな鴉に�� ページ22
「君らしく、ないよ」
「！」
小さな声。その声にハッとした
「君はいつでも、冷静だっただろう」
そんなの、そんな、事
「互いに分かり合えてないのに、なんで貴方が私の事をらしくないなんて言えるのよ…ｯ」
「…ふふ、なんで、かなぁ」
声がまた、小さくなった。目の光がすぅっと消えていく
「待って、、ねぇ…待ってよ、勝手に、、勝手に死ぬなんて許さない」
「…どうとも、思っていないなんて、嘘だよ…私は、君の、事が、」
プツリ。
まるで、電話が切れたかのように、彼の言葉は突如として切れた
信じられなかった。この、目の前の状況が。もうこの赤に濡れた鴉が目を開ける事はない。それが、どうしても。いつも美しい笑顔を浮かべていたあの鴉はもう、その笑みを見せることはない
あの鴉が、死んだ
頬に伝う温かいものに気付いた。これは、なに。
これは、涙だ。なんで、涙なんか。だって私はこいつ事が大嫌いだったのに。この涙はなに？なんの涙？涙っていうのは悲しい時に出るもの、じゃないの
「あ、…」
そこまで考えて漸く、この気持ちが理解出来た。私は、悲しいんだ。この鴉が死んで、悲しいんだ。だから、涙を流している。
そして、私は、彼は、互いを理解出来なかったんじゃない、自分の感情を理解出来なかったんだ
彼が最期に言いかけた言葉がなんだったのかはもう知る事はない。けれど、この気持ちは分かる
気付くのが遅すぎた。あまりにも、遅すぎたのだ
お互いに、認めなかったから。だから私達は歩み寄ろうとしなかった。この結果が、これ。なんて、なんて、残酷なのだろう。
私は馬鹿だ。認めたくなかったから、彼が憎く見えていた
頬を伝う雫が止まらない。ポタリポタリと絨毯にシミを作っていく。彼の手を握った。ひんやりと冷たい。彼の事だから、本当はもっとずっと温かいんだろう。私はそれを知る事が出来なかった。
彼の瞳。私が彼の瞳を見たのはつい最近。それまで、彼の瞳の色さえ知らなかった。年に2ヶ月も共に暮らしていたというのに。
チャンスなんていくらでもあったはずなのに。私はそれを踏みにじった。
もう、どうすることも出来ない。全て遅い。
握っていた彼の手が感覚の無いものへと変わっていく。もう時間だ
彼の体が人としての姿を失っていく。器を無くした魂はいずれ消滅する。
彼が消えてしまう前に、せめて祈ろう
憎たらしいほど美しい大嫌いな鴉に、幸あれ
さようなら、マルフィ。貴方の事が大好きでした。
私のモノ��(マルフィ)※Sada様リクエスト→←大嫌いな鴉に��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だきまくら - あいむさん» ですね...なんというか噂的にも...ね... 手下たちにからかわれて、Mr.にも絡まれてあのわちゃわちゃしたリクが好き 免許皆伝して、スキャちゃんが離れていくと考えると涙が... 守りたいあの笑顔、本当にその通りです！ (2018年9月18日 22時) (
レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - だきまくらさん» 演出凄いですよね！嬉しいけどどこか複雑な感情になってしまいますが...笑 相変わらずのお茶目さで場を和ませて貰いたいです。。守りたいあの笑顔 (2018年9月17日 13時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
だきまくら - あいむさん» 今回、初期のような演出で沢山の手下さんたちと会えるという！！ スキャちゃん、動画で見ました！めっちゃくちゃ美しかったです！けど、お茶目な一面は変わってなくて安心しました笑 頑張りますーーー！！！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - だきまくらさん» 始まりましたね！！昨日お会いしてきたんですが、もう、最高でした...泣 スキャちゃんやばいです妖艶です。← 頑張ってください〜〜〜！！ (2018年9月12日 15時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
だきまくら - あいむさん» Dハロ始まりましたねぇ！ 手下さんたちも美しさが増していて、スキャちゃんも...！ どうにかして行きたいんですよ笑 今、色々必死です笑 (2018年9月11日 1時) (レス) id: d9c9a58c34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいむ | 作成日時：2018年5月23日 23時
