誘い��(ジャック＋ダルメシア) ページ29
音に気付いた2人がパッと彼女の方を振り返り、一瞬あ、という顔をしたが、何事も無かったかのように扉の近くまでやってきた
先程まであったはずの羽は綺麗さっぱりなくなっている
ジャ「あれ？もうお目覚めなの？随分と早いね〜」
ダル「部屋から出るなって言ったのに…全く、躾がなってないな！…そーだ、次は首輪付けて閉じ込めちゃおうか？」
ジャ「ダルメシア、Aが怖がってるだろ！
もちろん、ジョウダンだよ、ほら笑って笑って！」
怖いほど優しい笑みを向けられて、思わず笑いそうになったその時
2人のニコリと笑ったその瞳は赤く、そして口の端に見えたのは、キラリと鋭い歯だった
「ｯﾋｯ…」
ﾋｭｯと喉が鳴る
いつか聞いた噂が頭を過ぎる
『あの廃城にはヴァンパイアが住んでいる』
体が石になってしまったかのように動かない
それは、恐怖か、絶望か
ダル「どーしたの？そんな顔して怯えて」
さっき見た漆黒の羽は
ジャ「体も震えてるよ？もしかして寒い？温かい紅茶をいれてあげよっか？」
燃えるように赤い瞳は
ギュッと腕を掴まれる
ダル「ほらほら、廊下にいないで部屋に入れ！こっちには暖炉もあるし、あったかいぞ！」
人間のものとは思えないような鋭い歯は
「…っ！」
Aの瞳に明らかな恐怖が宿ると、2人はもう諦めたように目を細めた
ダル「もー！せっかく時間をかけてたのに水の泡だなー！」
ジャ「仕方ないよ。この子意外とヴィランなんだもん！
でもそれって、とっても楽しくって面白くってオイシソウだと思わない？」
ダル「Aの事、ずーっと待ってたんだぞ！君は小さい頃から『ナニカ』を感じる特別な子だったからな！ここに来てくれる日が、楽しみで仕方なかったんだ」
ジャ「…そういう訳だから、諦めてね？」
ペロリ、と舌なめずりをしてAの柔らかい頬に触れる
ボロボロとまるで十二時の鐘が鳴ったシンデレラのように、魔法が解けていく
暖炉は消えて灰を被り、テーブルの上の食器は埃まみれ、テーブルクロスはビリビリになり、ユラユラ揺れていた蝋燭は蝋すら残さずに消え去る
壁には蜘蛛の巣さえあり、さっきまでの豪華な城は跡形もなく消えた
3人を照らすのは、魔法が解けて尚変わらない月明かり
ジャ「ずーっとここにいてね、A。僕らのオキニイリとしてね」
ダル「…逃げられるなんて思うなよ」
少女の頬には雫が伝い、白い首には赤い花が咲いた
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クレハ(プロフ) - あいむさん» ありがとうございます！あいむ様の文才ならぶち壊れないですよ！← リクエスト受けて下さってありがとうございます！ (2018年1月8日 0時) (
レス) id: 350256b5d7 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - クレハさん» コメントありがとうございます！続編を出せるのも皆様の応援のおかげでございます(＊´ｖ｀) リクエスト承知しました！絶対感動するやつじゃないですか！ぶち壊さないように頑張りますね...(汗) 続編の方に書かせて頂きますので少々お待ちくださいまし*_ _) (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - えっちゃんさん» コメントありがとうございます！毎日チェックして下さってるんですか？！それは嬉しい…たくさん更新できるよう頑張りますねd('∀'*) リクエスト承知しました！ありがとうございます！続編の方に書かせていただきますね^^* (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - 愛さん» コメントありがとうございます！わ！ほんとですか？！手下沼の底から浅い方にいる方を引きずり込もうとしてたので嬉しいですね← 皆さんが読んでくださる限り続けるつもりですので、こちらこそよろしくお願いします<(_ _*)> (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 続編ありがとうございます！ありがとうございます！(( リクエスト失礼します！もう似たものがあったらごめんなさい！主人公が何かの拍子に亡くなって、後に生まれ変わってまた出会う…って感じのが欲しいです！マルフィの話がいいです← (2018年1月7日 23時) (レス) id: 350256b5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2017年11月4日 21時
