心��(エイトフット) ページ2
心を取り上げる、そんなこと荷が重すぎる
そう思うかもしれない
けど、たかが人間になれるくらいで感情を失うなら諦めるはず、そう思った
Aに陸の世界に行って欲しくなかった
自分の傍を離れて欲しくなかった
さぁどうする？と笑いかければ、Aは困惑した顔で自分の胸に手をやっていた
人間の世界に行ったって、外の景色を美しいと感じることも、何かを見たいという好奇心も、何もなくなる
想い人に会えたとしても、そいつに対して何も思わない、たかが知人Ａになる
そんなのは嫌だろ？
「…感情が無かったら、あの人に会いたいとも思えないんじゃ…？」
エイト「え？あ、いや、感情はないが意思はあるからな、会いたいと思えば…」
ちょっと待て、何でそんなことを聞く
まさか条件をのむきなんじゃ…
ハッとしてAを見ると、ソイツも俺の目をじっと見ていた
ドクドクと嫌に心臓の音が耳につく
俺が言葉を探している間にコイツは口を開いた
「行く。感情がなくなったってかまわない。私あの人に会いたい」
俺の顔を見てしっかりと告げた
エイト「へ…」
思わず腑抜けた声が出た
「私どうすればいいの？」
エイト「…ｯ…まずはこの契約書にサインしろ」
ペンと契約書をよこして、Aがその一番下にサインを始めた
もう後戻りはできない
「…できた」
エイト「待ってろ」
いつかあの人魚姫の声を奪った時に使った貝殻そっくりのモノを取ってくる
エイト「…はぁ」
小さく溜息が漏れた
ーーーー
ーーーーー
「…ありがとね、ジョー」
エイト「いや…」
人間になり泳げないAを陸まで送り届けると、コイツは感情のない表情で俺に礼を告げた
コイツの感情は俺が持つ貝の中
もう二度とコイツの心からの笑顔を見ることはないんだろう
Aは礼だけ告げると足早に去っていった
想い人に会うことだけを胸に
エイト「ｯクソｯｯ」
Aがいない深海は静かだった
心にぽっかり穴が空いたように、何かが足りない
こんなに辛いなら、最初からお悩み解決なんて断ればよかった
正直にお前がいなくなるのは嫌だと言えば良かった
Aの心だけが自分の手元に残った
自分の知らない男に恋をしたままの心だけが
こんなに辛いなら、心なんていっそいらない
俺は、Aの心と一緒にその貝殻に自分の心をも閉じ込めた
エイト「…これでもう辛くないな…ｯ…」
もう辛くないはずなのに、なぜか頬を伝う雫は止まらなかった
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クレハ(プロフ) - あいむさん» ありがとうございます！あいむ様の文才ならぶち壊れないですよ！← リクエスト受けて下さってありがとうございます！ (2018年1月8日 0時) (
レス) id: 350256b5d7 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - クレハさん» コメントありがとうございます！続編を出せるのも皆様の応援のおかげでございます(＊´ｖ｀) リクエスト承知しました！絶対感動するやつじゃないですか！ぶち壊さないように頑張りますね...(汗) 続編の方に書かせて頂きますので少々お待ちくださいまし*_ _) (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - えっちゃんさん» コメントありがとうございます！毎日チェックして下さってるんですか？！それは嬉しい…たくさん更新できるよう頑張りますねd('∀'*) リクエスト承知しました！ありがとうございます！続編の方に書かせていただきますね^^* (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - 愛さん» コメントありがとうございます！わ！ほんとですか？！手下沼の底から浅い方にいる方を引きずり込もうとしてたので嬉しいですね← 皆さんが読んでくださる限り続けるつもりですので、こちらこそよろしくお願いします<(_ _*)> (2018年1月8日 0時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 続編ありがとうございます！ありがとうございます！(( リクエスト失礼します！もう似たものがあったらごめんなさい！主人公が何かの拍子に亡くなって、後に生まれ変わってまた出会う…って感じのが欲しいです！マルフィの話がいいです← (2018年1月7日 23時) (レス) id: 350256b5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2017年11月4日 21時
