利己的な嫉妬IV ページ4
だからもちろん、声色を冷たくするほど怒っては無い。が、明るく誰にでも分け隔てなく接するAは男女問わず人に好かれやすい。それは前々から危惧していたことだ。友人が多いのは構わないが、あくまで自分のモノなのだから。冷たく怒りでもして、少しそれを分からせようか、なんて思っていたわけだ。
目前のAは目をどこにやっていいか分からずに睫毛を震わせて、すっかり小さくなっていた。その様子はあまりにもいじらしく可愛らしい。こんな表情のAは自分しか知らないのだろう。彼女はいつだって笑顔で向日葵のようなのだ。睫毛を震わす様は、夜露の滴る白百合のようで、それにこの表情はなんだか……。
というわけで、遂に怒るなんて気はすっかり無くなって、残るのは利己的で甘い加虐性。弱く可愛いらしいものは虐めたくなるというもの。それはヴィランの性だ。
「Aはよっぽど、私を妬かせたいらしい。｣
アップルは縮こまったAの耳元でそう囁いた。そのあまりにも分かりやすく優しい甘い声に、Aはびくっと大袈裟なまでに肩を揺らして、アップルの顔を見た。そしてその表情に、先程までの冷たい怒りが消えていることに気づく。
「あ、アップル、？｣
怒ってるんじゃなかったの？ その言葉は、押し倒されたことによって、発せられることはなかった。下には丁度クッションがあったので、痛いことはない。それでも圧倒的な体格差の前に体を動かすことも出来ずに、こちらを見下ろす男の顔を見ると、その口元は薄く笑んでいた。嗜虐心を顕にした表情は、まさにヴィランそのもの。ヴィランに虐められる可愛そうなプリンセス。御伽噺ではプリンスが助けに来るのが定石だが、既にヴィランの手中の彼女にプリンスなんてものはいないので。
「で？ お前の望み通り私は酷い嫉妬心に心を焼いているわけだが、｣
そのヴィランの甘い毒が回りきっては、逃げ果せる術など持ち合わせてない。そんなつもりは無い、とは思っているのだろうが、はくはくと声も出ぬ口を開けては閉じて、呼吸をするのだってやっとだろう。
「Aはここから、どうしてくれるんだ？｣
プリンセスの両手を優しく組み伏せたヴィランは、可愛らしく睫毛を震わせる彼女を見て喉で低く笑ったのだった。
一瞬しか出番のなかったジャックハート
「僕をダシにいちゃつくのやめてくれますかーー？！｣
リクエスト遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m
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あいむ(プロフ) - ちゃむPOPさん» コメントありがとうございます！ようこそ手下沼へ！！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございますm(*_ _)mノロノロ更新ですがお付き合いいただけると嬉しいですです！ (9月22日 17時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 最近手下沼にハマった者です。1作目から数日で一気読みさせて頂きました。世界観がとっても好きです。応援してます！！ (9月20日 23時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» ギャグ多めになってしまいました。笑 ご希望に添えていましたら嬉しいです。リクエスト頂きありがとうございました！ (8月1日 0時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃろ(プロフ) - あいむさん» リクエストさせて頂いたものを書いて頂き、ありがとうございます✨しかもあんなにたくさん❗呆れている他のメンバーの表情が凄く浮かんできました(笑) (7月31日 1時) (レス) @page37 id: 4d5a25e049 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» わがままだなんてとんでもないです！リクエスト嬉しいです♡かしこまりました！更新まで少々お待ちくださいませ( . .)" (7月25日 16時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2023年3月31日 23時
