薔薇とペンキ�� ページ23
｢A、コレ誰の〜？｣
トントンとAが着ているTシャツの肩口を叩いて、次いで襟元をみょーん、と引っ張った。思わぬ言葉と行動に、Aは呆気に取られてしまう。
｢へ、？｣
｢コレ。随分と大きい。大きくなったアリスだってもう少し小さいのを着てるよ。……コレ、Aのじゃないでしょ。｣
イジイジと襟元を弄る手は止めずに、ジャックはその手を見ながらどこか遠い口調でそう言った。
A着ている服。
それは、なんてことないTシャツだった。
……というのは嘘で、ダルメシアのお下がりである。ダルメシアはAが適当なそこら辺のTシャツ……彼曰く"死ぬほどダサい
まぁなぜ、彼氏とデートをするのに、わざわざ他の男からもらった洋服を着てくるのか、という疑問にもなるが、何せダルメシアに散々ファッションセンスを馬鹿にされたあとである。それはダルメシアの優しさでもあるのだが、Aはいささか自分のセンスに不安を覚えた。そんなAは、パジャマで嫌われたくない、などと思い、所謂"アンパイ"を選んだわけである。(最早それはアンパイではないが。)
｢えっと、だ、ダルメシアさんから頂いたもの、です。｣
｢ハ。｣
さて、誰のものか、というジャックの質問にAは正直に答えた。当然、ジャックは、笑顔を引き攣らせて固まる。弄っていた指先もピタリと止めて、その視線のまま、Aの顔を見た。それはじっとりと何かをはらんだ黒い目だった。しかし、やはりAと視線があえば、ニコ！ と笑い、今度はその手でAの頬に触れた。手袋をしていない彼の手は少しだけ冷たく、ピクｯとAの肩が小さく上がる。彼女は睫毛を落ち着かない様子で震わせて、今の状況についていけていないようだった。それでもジャックは尚も、眉を下げた柔らかな表情だった。
｢ボクと会うのに、ほかの人の服着てくるなんてどーゆーつもり？ もしかして、ボクを妬かせたいってコトかな。｣
ン？ と子供に聞くような言葉尻でジャックは怖いくらい優しく聞いた。Aは喉を上下させただけで、何も言えない。しかし、ジャックはAの言葉は待っていないように見えた。
一度気まぐれみたいに視線を外して、またふ、とAを見る。Aはジャックの一挙手一投足から目が離せないで、息をすることさえ忘れていた。
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あいむ(プロフ) - ちゃむPOPさん» コメントありがとうございます！ようこそ手下沼へ！！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございますm(*_ _)mノロノロ更新ですがお付き合いいただけると嬉しいですです！ (9月22日 17時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 最近手下沼にハマった者です。1作目から数日で一気読みさせて頂きました。世界観がとっても好きです。応援してます！！ (9月20日 23時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» ギャグ多めになってしまいました。笑 ご希望に添えていましたら嬉しいです。リクエスト頂きありがとうございました！ (8月1日 0時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃろ(プロフ) - あいむさん» リクエストさせて頂いたものを書いて頂き、ありがとうございます✨しかもあんなにたくさん❗呆れている他のメンバーの表情が凄く浮かんできました(笑) (7月31日 1時) (レス) @page37 id: 4d5a25e049 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» わがままだなんてとんでもないです！リクエスト嬉しいです♡かしこまりました！更新まで少々お待ちくださいませ( . .)" (7月25日 16時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2023年3月31日 23時
