一雨一度�� ページ18
「あ、あの、マルフィ……さん、……その、……な、なんで、」
あれから二人はセンターストリート近くのカフェに入っていた。雨の日のカフェは少し混んでいたが、奇跡的に空きが出たらしく、二人はすぐに窓沿いの席に案内された。濡れてしまった手を拭いて、珈琲を二つオーダーする。(ちなみに、マルフィがケーキも頼んだので、Aもちゃっかり同じものを頼んだ。)
そしてその珈琲とケーキが届いた頃。Aは意を決して口を開いた。たどたどしく紡がれた言葉はそれでもマルフィの耳に聞こえたようで、彼は、ン？ と視線をケーキからAへと向けた。
「えと、その……」
「……何故この私がこの王国にいるのか、かな。」
「は、はい。」
マルフィはAの言葉に、考える素振りをしてから、少しのミルクと砂糖をカップにいれて、クルクルとスプーンを軽く回した。そしてそのまま流れるようにカップに口を付ける。その所作は洗練されたもので、こちらが圧倒される程美しく、Aは思わず見惚れてしまう。珈琲を飲む時に彼の目がやや閉じられたせいで、その長い睫毛が際立った。
音もなくカップがソーサーに置かれて、そうしてから、マルフィはやっと口を開いた。
「……ちょっとした"挨拶"かな。どうやら今この王国はお祝いムードだから。彼らには
……しかしその肝心の招待状が中々届かなくてね。」
「ｯ、！」
Aはその言葉にビクッと体を震わせた。声色は至って変わらない柔らかなもののはずなのに、彼の周りの空気がシン……と張り詰めたからだ。喉の奥がヒリヒリするような、心の底からの恐怖。マルフィを見るのが怖くなって、自分の手元の珈琲のカップをじっと見つめる。
「招待状の出し忘れ、だろう。仕方がないからね、私はそれを受け取りに来たというわけさ。」
ニコ……と彼は穏やかに笑った。張り詰めた空気はいつの間にか解けていた。コク、とAの乾いた喉が小さく動く。マルフィの雰囲気は完全に元に戻っていて、彼は心做しか楽しそうな笑みをこぼしていた。穏やかに笑えども、彼もヴィラン。怖がる人間を見るのは愉快だったので。
「さて、そんなことより、問題は、」
何故私の事が認識できるか、だ。認識阻害魔法はかけているんだけれど、とマルフィは考え始めた。
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あいむ(プロフ) - ちゃむPOPさん» コメントありがとうございます！ようこそ手下沼へ！！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございますm(*_ _)mノロノロ更新ですがお付き合いいただけると嬉しいですです！ (9月22日 17時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 最近手下沼にハマった者です。1作目から数日で一気読みさせて頂きました。世界観がとっても好きです。応援してます！！ (9月20日 23時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» ギャグ多めになってしまいました。笑 ご希望に添えていましたら嬉しいです。リクエスト頂きありがとうございました！ (8月1日 0時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃろ(プロフ) - あいむさん» リクエストさせて頂いたものを書いて頂き、ありがとうございます✨しかもあんなにたくさん❗呆れている他のメンバーの表情が凄く浮かんできました(笑) (7月31日 1時) (レス) @page37 id: 4d5a25e049 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» わがままだなんてとんでもないです！リクエスト嬉しいです♡かしこまりました！更新まで少々お待ちくださいませ( . .)" (7月25日 16時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2023年3月31日 23時
