可愛い子�� ページ16
｢おやおや、ダメだよ。……ふふ、、あはは……。｣
マルフィはクスクスと至極楽しそうに嬉しそうに笑って、逃げようとするAの腕を優しく掴むと、フーｯ……と見たことが無い程濃い金色の煙を吹きかけた。至近距離で吐かれた濃煙をもろに吸い込んだAは、為す術なく完全に脱力する。体に力が入らなくなって、段々とふわふわしていく頭でぼんやりと、｢あぁ本当にこの人からは逃げられないんだ｣と考えて、それでも何も出来ずに、力の入らない体でマルフィにもたれかかった。
諦めて……というか本当に何も出来ないので、だら、とマルフィの胸元に力なく寄りかかると、彼は、うふふ、とまた甘美な笑みを漏らした。
最初から逃げられないなんて分かってたのに。鴉は独占欲が高い。一度彼の手の中に収まってしまえば、二度と出られない。……ここから出たいなんて、あんなこと、言わなきゃ良かった。……。
煙のせいでぼやぼやする頭でぼやぼや考える。Aは自分の意思で｢自分が悪い｣と考えていると思っているが、実を言うと、正常な思考なんてもう出来ていない。しかしAはそれに気付いていない。いつものそれとは違う、アルコールみたいに濃く重い煙はAの思考を無理矢理奪って、ここから出ようとする自分が悪い。愚かだった。と思わせるのだ。
だからAはもう、ひとつの抵抗さえせずにマルフィの腕の中で無防備に目を瞑った。その様子にマルフィはひどく幸せそうに目を細めた。
何も出来ない可愛い子。
孤独で無力な可愛い子。
……そうなるようにしたのは私だけれど。
毎日の少しずつの"おまじない"。私のことだけを考えるようになるおまじない。"幸せ"な夢だけを見ていられるおまじない。悟られないように、分からないようにゆっくりしていたけれど、離れようとするなら仕方ない。
一気に夢の世界に落としてしまおう。
小さな駒鳥のように可愛い子。
「君はずーっと私のモノ。慕っているよ、A。」
マルフィはうっとりと愛しいものを見る目でAを見つめると、乱れた髪を一束掬いあげて金煙のキスをする。
緑色の瞳は深く暗い愛で濡れていた。
ーーーーーーーーーーー
金色の煙というのは、映画『マレフィセント』でマレフィセント様がオーロラを眠らせる時に使っていた魔法を参考にしています。
ただし、恐らく深い愛と執着心から、彼の使う魔法はただ"眠らせる"だけではなくなっていますが……。
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あいむ(プロフ) - ちゃむPOPさん» コメントありがとうございます！ようこそ手下沼へ！！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございますm(*_ _)mノロノロ更新ですがお付き合いいただけると嬉しいですです！ (9月22日 17時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 最近手下沼にハマった者です。1作目から数日で一気読みさせて頂きました。世界観がとっても好きです。応援してます！！ (9月20日 23時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» ギャグ多めになってしまいました。笑 ご希望に添えていましたら嬉しいです。リクエスト頂きありがとうございました！ (8月1日 0時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃろ(プロフ) - あいむさん» リクエストさせて頂いたものを書いて頂き、ありがとうございます✨しかもあんなにたくさん❗呆れている他のメンバーの表情が凄く浮かんできました(笑) (7月31日 1時) (レス) @page37 id: 4d5a25e049 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» わがままだなんてとんでもないです！リクエスト嬉しいです♡かしこまりました！更新まで少々お待ちくださいませ( . .)" (7月25日 16時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2023年3月31日 23時
