利己的な嫉妬�� ページ2
「A、明日までにここに書いてある公式を覚えろ。まずはそこからだ。」
サラサラと紙に最低限の公式を書き記してAに渡す。それを受け取ったAは渋い顔をして紙を見つめた。しかし小さな声で、頑張ると言って頷いた。
「さて、取り敢えず今日は帰ろう。校舎が施錠されてしまう。」
「あ、じゃあ私、教室に荷物取り行ってくる！」
「ここを片付けたらそちらへ行くから、そのまま教室にいてくれ。」
「わかった！」
パタパタと慌ただしくAが教室を出ていった。残されたアップルは使った椅子や机を元に戻して、電気を消す。鞄を持って教室を後にして、Aの教室へと向かった。
廊下は夕刻のオレンジの光に溢れていた。彼女の教室は廊下の1番奥。クラスが離れているため、それなりの距離がある。彼女の準備もあるだろうとその廊下を少しゆっくりと歩いていく。
すると、ふと、男女の話し声が聞こえた。それはどうやらAの教室から。他にも誰かいたのか、なんて思いながら彼女の教室を覗く。
「げ、お前いたのかよ。｣
ぶすっとした明らかな不機嫌な声と表情。そこにいたのはジャックだった。そしてその横にA。教室には他に誰もいない。つまり、先程聞こえてきたのはジャックとAの声だったらしい。
Aの手には、なにやら見覚えのない紙が。ちら、とそれを見ると、どうやら期末の数学の範囲のポイントがまとまったメモらしい。そしてその字はAのものではない。どう見てもジャックの字だった。
ジャックは見かけによらず、数学が得意だ。というか、数字に滅法強い。というのも、彼は『トランプ』なので。しかも『ジャック』だ。『キング』と『クイーン』に次ぐとびきり強い『役』。(もっとも、彼の世界では『クイーン』が最強だが。)つまり、数字なんて彼にかかれば“
「……帰るぞ。｣
「あ、うん！ ジャック、これありがと！｣
「どーいたしまして！｣
少し、ほんの少し、思うところはある。教えているのは自分なのにという幼稚な独占欲だ。
しかし、きっと、ジャックの書いたメモは分かりやすいのだろう。日頃からダルメシアだとかスカーだとかに勉強を教えているところを見ているし(逆に教えてもらっているときもある)、何より数学ができるのだから。
それにAがそれで喜ぶのなら構わない。彼女が嬉しいことは自分も嬉しい。
と、思っていたのだが。いや、思うことにしていたのだが。
利己的な嫉妬�窟�←利己的な嫉妬��(アップル)※ユウウ様リクエスト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいむ(プロフ) - ちゃむPOPさん» コメントありがとうございます！ようこそ手下沼へ！！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございますm(*_ _)mノロノロ更新ですがお付き合いいただけると嬉しいですです！ (9月22日 17時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 最近手下沼にハマった者です。1作目から数日で一気読みさせて頂きました。世界観がとっても好きです。応援してます！！ (9月20日 23時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» ギャグ多めになってしまいました。笑 ご希望に添えていましたら嬉しいです。リクエスト頂きありがとうございました！ (8月1日 0時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃろ(プロフ) - あいむさん» リクエストさせて頂いたものを書いて頂き、ありがとうございます✨しかもあんなにたくさん❗呆れている他のメンバーの表情が凄く浮かんできました(笑) (7月31日 1時) (レス) @page37 id: 4d5a25e049 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ちゃろさん» わがままだなんてとんでもないです！リクエスト嬉しいです♡かしこまりました！更新まで少々お待ちくださいませ( . .)" (7月25日 16時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいむ | 作成日時：2023年3月31日 23時
