7日目 ページ8
「送り、オオカミ…?」
2人でベッドに横になって、そんな話をする。フロイドはジッとAを見つめていた。
「なぁにそれ」
「……さぁね。オレも意味は分かんねぇの」
「?じゃあなんで言ったの…?今のフロイド、よく分かんない、、」
「クラゲちゃん、オレ眠い」
ギュッとAを抱き締めると、フロイドは目を閉じた。Aは身長がフロイドよりずっと低いため、抱き締められるとすっぽりとフロイドに包み込まれてしまう。
「苦し、」
モゾモゾと呼吸確保の為に動くと、フロイドは更にギュッと抱き締めた。
「う、、」
「好きだよ、オレのクラゲちゃん」
「…フロイド…?」
ふっとフロイドの腕が少し緩み、Aは彼の顔を見上げる。彼はやっぱり目を閉じていた。
「(いつもの気まぐれ…?)」
フロイドの気分屋ぶりは幼い頃から知っている。ギュッと抱き締めてみたり、少し不機嫌になってみたり、かと思えばニッコリと笑ってみせたり。
ふとした瞬間にあだ名では無く、名前を呼ぶのも気まぐれ。彼はいつも不思議なタイミングで名前を呼ぶ。
「(変なの…)」
色々考えているうちに段々と瞼は落ちてきて、Aはそのまま眠りに落ちた。
ーーーーー
「ふーろーいーど。朝だよ。起きて」
カーテンの隙間から覗き込む朝日が眩しい。ゆさりゆさりと、昨日とは立場が逆転して、今日はAが寝ているフロイドを揺する。
「ん、、クラゲちゃん、うるさい……」
「朝ごはんの時間だよ。行こうよ」
「ヤダ」
「んーでも起きないとフロイド置いてっちゃうよ」
「そんな事言ったって、クラゲちゃん、オレから離れなんないでしょ」
「……」
自分のお腹に回されたフロイドを腕を見る。その腕はいくら引っ張っても離れない。それどころか、動けば動くほどギュウギュウと締める力が強くなっていく。
「苦しいよ、フロイド…」
「暴れるクラゲちゃんが悪い」
どうにもならずに、小さく息を吐いた。すると、ゆっくりとフロイドが起き上がる。
「どしたの」
「今クラゲちゃんのお腹の音がした」
「え、」
「お腹すいてんの?かーわい」
ニヒニヒと目を細めて笑うフロイドに、うるさいなと怒れば、彼はアハハと声を出して笑いだした。
「もー、、フロイドやだ」
「じゃあクラゲちゃんは、オレの手助けいらないんだ?」
「…」
「ふふふ、はい、クラゲちゃん、手ぇつなご」
「ん」
差し出されたフロイドの手を取って自室をあとにした。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時