22日目 ページ24
「…なーにしてんのぉ、クラゲちゃん」
「フロイド、」
図書館で魔法薬学に関する本を読んでいると、その本に大きな影がかかった。それとともに抱き締められる感覚。これにももう慣れたものだ。
「明後日のマジフト大会が終わったら試験でしょ?魔法薬学の復習してるの」
「魔法薬学苦手なの?」
「ちょっと…ね」
そういって眉を下げるAの手元には確かに魔法薬学に関してのメモやらプリントやらが散らばっていた。
「ふぅん…魔法薬学ならジェイドが得意だよ」
「え、そうなの?聞いてみようかな…あ、でもジェイドと取引するのはなぁ…何を対価に要求されるか…」
ジェイドも同じく幼馴染だが、彼は頭の回転が良く、それでいて腹の中で何を考えているか分からない、フロイドとはまた違ったやりにくさがある。時々、フロイドの方が可愛く見えるほどに。
「じゃあオレが教えてあげよーか?」
「フロイド、魔法薬学出来るの?」
「別に得意ってわけじゃねぇけど、1年の範囲なら余裕」
「お、教えて!対価はラウンジのお手伝いを今の倍を2週間、でどう?」
「んーオレは別にラウンジの仕事手伝ってもらわなくてもいいんだけど…まぁ、いいよ。取引成立ね。じゃあ、実験室行こ?」
ーーーーーーー
「じゃ、手始めに去年オレ達の試験に出た変声薬作ってみよっか」
「えっ、、そんな、いきなり?」
「魔法薬学は見るよりやった方がいいし。ほら早く」
「う…えっと…」
恐る恐る調合に必要なものを揃えていく。変声薬は授業で少し触れた程度。朧気な記憶を脳の奥から引っ張り出す。
「…1枚だっけ…?」
薬草の葉っぱを1枚ちぎって大釜にいれ、次の材料と睨めっこ。
「…クラゲちゃん、さっきの薬草は葉っぱ2枚だよ。で、今クラゲちゃんがもってるやつは適当でいい」
「えっ、」
椅子に座ってAを見ていたフロイドがいつの間にか移動して、後ろから大釜を覗き込んでいた。
「変声薬はさっきの薬草が葉っぱ2枚ってのと、この薬が3滴っていうのを覚えておけばいいの。他は多少適当でもなんとかなるし」
「そうなの…?」
後ろから手を伸ばし、Aが持っていた薬草を適当にちぎって大釜の中に放った。その後もポイポイと適当に材料を放り込んでいく。
「料理作る時もさ〜、適量とかひと掴みとか明確に量が決められてないものってあるでしょ?魔法薬学って料理みたいなとこあるし。…はい完成ぇ〜」
驚くAの前には淡く紫に光る薬が出来ていた。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時