15日目 ページ17
「さーてと、」
ラウンジに着き、Aをソファに下ろすとフロイドもそのすぐ隣に座る。そうしてAをギューッと抱きしめると、そのまま動かなくなった。先程から様子が何だかおかしい。普段からとびきり気分屋だが、今日は一段と気分の浮き沈みが激しく、グラグラと安定しない様に感じた。
「…フロイド？」
「なに？」
今も引っ付いて離れないフロイドに声をかけると、小さく返事が帰ってきた。その声はAに抱きついているせいで、くぐもっていて声色が上手く読み取れない。
「急にどうしたの？…何かあった？」
「……なんかイシダイせんせぇにすんげー怒られた。昨日の授業、オレがサボったからだって。でもさぁ〜、今日の小テストで100点取ったんだからよくね？まじ意味わかんねー」
他にも出来ない奴沢山いるじゃん、萎える、とますます腕の力が強くなる。
いつもなら誰に怒られようと、さして気にしない彼だが今日はどうやら違うらしい。ギュウッとAを抱き締めて、顔は彼女の首元に埋めてしまったまま、一向に動こうとしない。
「(こーゆー時のフロイドは気が済むまでしたい事ささせておくのが一番なんだよねぇ)」
フロイドの抱き締める力が少しばかり痛いが、仕方がない。空いている手でポンポンとフロイドの頭を撫でると、彼は、もっと〜と甘えたな声で催促し始めた。
一度微笑むと、その要望に答えるため、ゆっくりと髪を梳いていく。サラサラと指の間をすり抜ける感覚が気持ちいい。
彼の髪色は、深海から空の方を見上げた時に見える色に少し似ている。ふわふわとした無重力の空間と冷たい海の感覚がなんだか懐かしい。
そうして故郷を思い出していると、ウトウトと微睡んできた。Aとフロイドの体温は決して高くはないが、二人寄り添えば心地の良い温度となる。昼下がりの暖かくのんびりとした空気に、Aの意識は、体が深海に吸い込まれていくように落ちていく。
「…クラゲちゃん？」
ふと自分の頭を撫でていたAの手が止まり、ダランと脱力した。顔を上げて彼女を見ると、なんと彼女は呑気に寝息をたてていた。
スゥスゥと規則正しく繰り返される肺呼吸に、腹が上下している。フロイドは目を細めて笑むと、そのままAをソファへと押し倒した。大きなソファだ。くっついていれば二人で寝る事も出来る。
フロイドは、もう一度ギュウッとAを抱きしめると、自分もそっと目を閉じた。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜！！ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (
レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます！！にやけられるものになっていて安心しました(？)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです！フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです！体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい！応援していますっ！ (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年3月23日 0時
