12日目 ページ14
「フロイド、苦しい、、」
「あ、ごめんごめん」
苦しそうな声に、フロイドがパッと腕の力を抜く。
Aから腕を離したフロイドは、今度はその腕をAの髪へと移すと、結んである髪をふわふわと触った。その手つきはいつもよりもずっと優しい。
「ほんとに機嫌がいいんだね。どーしたの？」
「んーそれも秘密〜」
「…私は秘密1つしか無いのにフロイドは2つ。ずるいよ」
ぷくぅと蛸のように頬を膨らますAにいじらしい気持ちになる。思わずその頬に手を伸ばして、ムニムニと膨らんだほっぺたを触る。
「じゃあさ、クラゲちゃんの秘密教えてくれたら、オレのも教えてあげる」
「…分かったぁ」
まだ少し不満そうではあるが、それでも頷くAに笑む。
「クラゲちゃん、着替えたらジェイドとアズール呼んでご飯行こ」
オレ、もう腹減ってしょーがないの、とAを再び抱き上げるとフロイドはそのまま自室へと戻って行った。
ーーーーー
「では、アズールとAはここで待っていて下さい。私達がお二人の分も取ってきますから」
「いい子で待っててね、クラゲちゃん」
大食堂に着き、席を確保すると双子はそう言い、ビュッフェの列へと並び始めた。
実は、Aも並ぶことくらいなら平気なのだが、2人はそれを許さず、いつもAを席に待たせている。
尚、入学式翌日のラギーの1件を中々快く思わない2人(特にフロイド)は、必ず誰かがAと一緒に待つ、というルールも加えていた。
さて、今日はというと、初のアズールとお留守番。
アズールの事は、2人からよく聞いており、接点は無かったもののどんな人かは知っている。せっかく話す機会があるのだから、なにか話してみよう、なんて気持ちになったAは、
「ねぇねぇ、アズールってさ、なんで皆と取引してるの？」
と、前から気になっていた事を尋ねた。
「そうですね、、オクタヴィネル寮は、慈悲の精神に基づいた寮。その精神に習い、悩んでいる哀れな方々を救いたいから、ですかね」
「でも、実際はそんなに解決してないようにみえるけどな…」
「おや、そうですか？皆さん、口を揃えて『願いは叶った』と仰ってますよ」
「願い "は" ねぇ。でも結局得するのはアズールでしょ？」
「ふふ、そりゃあボランティアでは僕達もキツいですからね。それなりの対価を頂かなくては」
双子そっくりな悪い笑みを浮かべるアズールに、類は友を呼ぶなぁなんて呑気に思った。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜！！ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (
レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます！！にやけられるものになっていて安心しました(？)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです！フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです！体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい！応援していますっ！ (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年3月23日 0時
