秋夜の話�� ページ49
現世はハロウィン。妖しい秋夜。
昼間の生温い温度は消え去って、肌を撫でるのは冷たい夜風。
バルコニーへと続く戸を魔法で開け放つと、ひゅぅと風が部屋へと吹き込んだ。
ふ、とエイトフットは一つ息を吐いた。仕事がどうにかひと段落しそうだ。秋はどうしたものか、ひどく忙しい。連日の無理で疲れ切っている体に、秋の夜風が染みる。ぐーっと伸びをして、首を回す。そして外の方を見遣ると、そこには星が瞬いている夜空が広がっていた。
何を考えるわけでもなく、星をボケっと見つめて……少ししてからハッとした。仕事、と思ってペンを握る。再開しようとしたその時。
"I know you, I walked with you once upon a dream..."
風に乗って微かに聞こえてきたのは聞きなれない歌声。
本当に微かだったので最初は聞き間違えかとも思ったが、やはり歌声は確かに聞こえてくる。ヴェールとも違う……というか、歌っているのはどう聞いても男だ。誰が歌ってンだ？ と興味本位でベランダに出てみる、と。
「……お前かよ。」
そこに居たのは大きく美しい真黒な羽を広げた鴉。夜空に浮かぶマルフィが、ふわふわと歌っていたのだ。
「おや、聞かれてしまったかな。」
「珍しいなァ、お前が歌うなんて。」
「今日はなんだか気分が良かったからね。」
バサ、とエイトフットのいるベランダまで降りてきた尚もマルフィは機嫌良さそうに、柔らかい笑みを浮かべて浮いている。
「君も歌うかい？」
「あー？ お前ンとこの歌は歌わねェよ。」
「ふむ、では君のところの歌を歌おうか。」
どうやら本当に機嫌がすこぶる良いのだろう。マルフィは、"Under the sea..."と歌い始めた。それにはエイトフットも流石に顔を顰める。こんなに機嫌の良いマルフィはあまり見ない。ルンルンで他の物語の歌を歌う彼に、……正直に言うと呆れているのだ。
「まじで機嫌良いなお前。なんかあったのか？」
「ん？ いや、今日は星がよく出てるだろう。星の煌めきは好ましい。試しに外に出てみたら一層綺麗でなぁ。」
「あー確かに今日はやけにギラギラしてンなァ。」
「そうだろう、そうだろう。星たちも美しい私を見たくてしょうがなかったんだろうなぁ〜。」
「アーハイハイ、ソウデスネー。」
「キミ〜、思ってないだろう〜。」
軽口を叩き合い、なんてことのない会話とマルフィのふわふわした歌声。お互い何も気にしなくても良い時間に、少し微睡む。体は連日の激務で限界。徐々にぽてぽてと瞼が重くなっていく。
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あいむ(プロフ) - ユウウさん» 返信ありがとうございます。かしこまりました！ 続編での更新になりますので少々お待ちくださいませ！！ (2022年12月12日 22時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - あいむさん» 言い忘れていたのですが、現パロというより学パロでお願いします。重要なことなのに言い忘れてすみません。関係性は恋人で全体的に甘い雰囲気でお願いします！ (2022年12月12日 7時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ありがとうございます！ リクエスト承りました！ 現パロという他になにか、こうしてほしいなどのご要望はありますか？？ （関係性など） (2022年12月10日 22時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - 初コメです！毎回楽しみに見させていただいてます。リクエスト失礼します。アップルポイズンの現パロををお願いします！これからも応援させていただきます！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - トワイライトさん» 今年のハロウィンのパレードはまた沼に引きずり込ませにきてますよね…ひと時の秋、楽しんでいきましょう！ リクエストありがとうございました！ (2022年10月2日 12時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年2月4日 23時
