未来の話�� ページ32
11月1日。
今年も秋が終わった。
特別な秋の全く新しい物語。それももうエンディングのページを捲り終えた。
使い慣れたあのホテルの部屋ではなく、招待された館の一室。ここは、ほんの少し冷たく、仄暗い。999人の住人はいれど、あの一秋のメンバーは半分。賑やかさには欠けていた。
パチン、とトランクの鍵を閉める。窓の外に見える夢の国は、やはりハロウィンの装飾を綺麗さっぱりと洗い落とし、新しい物語へと進み出していた。
人間たちとの別れから4年。彼らは存外我々を覚えていた。まぁ、たかが4年だ。人間にとっても4年はさほど長くない。覚えていて当然なのだろう。だが、666年のうちの4年。そう考えるとあまりにちっぽけだ。それが、10年、100年と伸びたら、また話は変わってくるのだろう。
物語の一部である我々が、人間たちに忘れられてしまうこととは、即ち死であると。
それ故に、4年前、恐怖と悲しさを感じたのだと。
そう気付いたのはこの世界を離れてからである。あまりに早く儚く変わっていくこの世界を知って、それからまた永遠に変わらぬ自分の
4年前、理性が引き止めた感情は、私の意志とは関係なく意図も容易く暴かれた。
しかし、この新しい
それが、人間たちの思いだ。
彼らは私が思っていたより、ずっと多くのことを覚えていた。彼らの思いは風化せずに、それどころか大きくなって私たちを残していた。数多の物語が後世に残されているように。
666年後……正確には662年後。
諦観と、少しの期待。
それでもほんの少し、期待が大きくなったのは事実。
この世界は、人間たちは、変わっていく。
けれどその中に、変わらぬひとつの思いがあるのなら。
気長に待っていよう。どうせ、待つしか出来ないのだから。
「ダルメシア。」
彼の部屋の扉をノックする。
これは4年前とは違う習慣。
扉を開けて顔を出した彼は、にぃと嬉しそうに目を細めて私を見た。
4年前と変わらない、この表情。
「……来年、会える保証はやっぱりないな。
けど、来年も、その先も……僕達が僕達のまま、会えるといいな！」
「！……あぁ、そうだな。」
変わるものもあれば、変わらないものもある。それは我々とて同じ。
だからこそ、私もこの特別な秋を、人間たちを、決して忘れない。
言葉の意味(ジャックハート)→←Welcome to the...IV
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あいむ(プロフ) - ユウウさん» 返信ありがとうございます。かしこまりました！ 続編での更新になりますので少々お待ちくださいませ！！ (2022年12月12日 22時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - あいむさん» 言い忘れていたのですが、現パロというより学パロでお願いします。重要なことなのに言い忘れてすみません。関係性は恋人で全体的に甘い雰囲気でお願いします！ (2022年12月12日 7時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ありがとうございます！ リクエスト承りました！ 現パロという他になにか、こうしてほしいなどのご要望はありますか？？ （関係性など） (2022年12月10日 22時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - 初コメです！毎回楽しみに見させていただいてます。リクエスト失礼します。アップルポイズンの現パロををお願いします！これからも応援させていただきます！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - トワイライトさん» 今年のハロウィンのパレードはまた沼に引きずり込ませにきてますよね…ひと時の秋、楽しんでいきましょう！ リクエストありがとうございました！ (2022年10月2日 12時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年2月4日 23時
