夢�� ページ22
ねぇ、お願い、言ってよ。最後なら、言ってよ。貴方の言葉が欲しいの。私は確かに愛されていたっていう確証が欲しい。お願い。言って欲しい。お願いだから。
「ごめんね。」
彼は、それだけ言った。いっとう優しい声で。
「ｯやだ、、やだ、」
首を振る。分かる。これで最後だ。
いや。いやよ。許さない。許さないわよ。お願い。行かないで。
ぼろぼろ涙を流して、顔がぐちゃぐちゃに崩れるのも気にしている暇などなかった。貴方がここにいてくれるのなら、なんだって良かった。
しかし、彼は何も言わずに、ぎゅ、と一際強く私を抱きしめた。
その抱きしめ方が、今までで1番、優しくて、温かで。私は、もう何も言えなくなって。その代わりに、また涙がぼろぼろと溢れる。
そして。
彼の温もりは一瞬にして、まるで泡のように消えてなくなった。
「ｯマルフィｯｯ！！」
涙声で、消えた空に向かって彼の名前を叫んでも、そこには何も無い。
先まであった、彼の温もりも。柔らかな手も。
すべて、なくなった。肌に刺さるのは、雪の冷たい感覚。
残ったのは、あの美しい一枚の羽根だけ。
あああ、と泣き崩れても、彼が戻ってくることはない。美しくて、ひどく冷たい、たった一枚の羽根を抱きしめて、泣いた。
温かくて大きな手も。
彼の柔らかな微笑みも。
私の名前を呼ぶ低くて安心する声も。
秋の冷える夜に重ねた身体も。
貴方のこと恨んでなんてないよ。
恨むことなんて出来ないの。
だって、今も、貴方を、
欲しかったのはね、「ごめんね」じゃなくて、
「愛してる」のひと言でよかったの。
それだけで私は、この先ずっと生きていけるから。避けられない別れなら、どうしても離れなくてはならないのなら、その言葉で、その言葉だけで、もう、それ以外何もいらなかったの。
勝手にいなくなった貴方のこと許してないよ。
けれどね、今も貴方のこと、愛してるの。
どうしようもないほど、愛しているの。
変わったのはそこに貴方がいないだけ。
あの秋を悪夢と言うのなら、それはとっても幸せな悪夢だった。だから、私は、これからも悪夢を見続ける。
明日も、ここで待つよ。いつかずっと、先の未来でも構わない。死んでからだっていい。
ずっと、ずっと、待つから、いつか、いつかきっと、私のことを迎えに来て。
貴方は、
その時は、きっと、きっと、言ってね。
貴方が躊躇った言葉。私分かるから。
END
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あいむ(プロフ) - ユウウさん» 返信ありがとうございます。かしこまりました！ 続編での更新になりますので少々お待ちくださいませ！！ (2022年12月12日 22時) (
レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - あいむさん» 言い忘れていたのですが、現パロというより学パロでお願いします。重要なことなのに言い忘れてすみません。関係性は恋人で全体的に甘い雰囲気でお願いします！ (2022年12月12日 7時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ありがとうございます！ リクエスト承りました！ 現パロという他になにか、こうしてほしいなどのご要望はありますか？？ （関係性など） (2022年12月10日 22時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
ユウウ - 初コメです！毎回楽しみに見させていただいてます。リクエスト失礼します。アップルポイズンの現パロををお願いします！これからも応援させていただきます！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: 452cd22222 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - トワイライトさん» 今年のハロウィンのパレードはまた沼に引きずり込ませにきてますよね…ひと時の秋、楽しんでいきましょう！ リクエストありがとうございました！ (2022年10月2日 12時) (レス) id: 703a955963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいむ | 作成日時：2020年2月4日 23時
