記憶屋 ページ33
「記憶屋…?」
男「そ。久しぶりだな…A」
「っ、?!」
優しい笑みを浮かべる男に、警戒を緩めずじっと見つめるAだったが、自分の名前が出たことに少し驚き、戸惑い、警戒網がゆれた。その瞬間を見逃さず男は目の前まで迫ってきた
男「なんで、自分の名前を?と思ってる感じだね。
教えてやる
俺は君の『飼い主』だからだよ」
息がかかるほど近くまで来た男
そのことにより、帽子の下の整った顔が顕になった
ハラリと銀髪が目にかかり、その妖しげな雰囲気が際立つ
「っっ!」
慌ててドンっと男を突き返すが、逆に、前に出した手をとられて、自由を奪われる
男「っと、主人を押し返すなんてな。前はそんなこと無かったのに、悲しいぜ」
「しらない…!」
私には記憶がないの!と言うと男は、乾いた声を出して笑う
男「そりゃそうだ。お前の記憶は俺が封じてるからな」
「?!は…なんで…」
男「その方が都合が良いんだよ。つかこの会話ももう6回目だぜ?ま、覚えてないだろうけど」
くつくつと面白そうに笑う男に、恐怖が募る
「っ…」
どんなに記憶を辿っても覚えてるのは、檻の中の日まで
いつからそこにいたのか、ましてや自分の正体でさえ分からない
男「そういや、お前、悪魔の実の能力者になったんだってな?別にいいけどよぉ、あんまめんどくせぇことすんなよ」
「知らない…覚えてない…」
男「??あんれ、てっきり6週目に入ってからだと思ったけど、5週目か」
「は…?」
男「店主に預けた後に食わされたんだな?くっそ、あの店主嘘つきやがって…もうアイツとは取り引きはなしだ。もっとタイセツににしてくれる所にしてやるよ?よかったな」
ニコッと、再び優しく笑うが、恐怖は増すばかり
「何言ってるの…?」
男「…どうせ忘れるんだし、教えてやる。お前を、人買いに売ることで、俺は金を貰ってる。何回もな」
「…」
男「毎回こうしてるんだよ。適当に時間が経ったら、お前を引き取った一時的な飼い主を始末して、お前を取り戻す。で、記憶を封じてまた、人買いに売る」
「!!」
男「お前の鮮やかな金髪と青眼は、価値が高いからな」
それを抜いてもお前はすげー綺麗だけど、と付け足す
「なんで、そんなこと…」
男「んー、まぁ一種の報復だな」
「は?」
男「お前はこの世界にとっては特別らしいからな。けど、お前は記憶が無いから政府はお前を取り戻せない
ま、簡単に言うと、世界に対する報復だよ」
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夏(プロフ) - 続きを見たいです (2020年12月20日 20時) (レス) id: d2cca775a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - みぃ さん» コメントありがとうございます!長らく更新を止めていましたが、この先のお話の方向がまとまりましたのでまた始めさせていただきました(´˘`*)更新速度は早くないと思いますが、よければご覧くださいねm(_ _)m (2018年2月5日 2時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 最近になって読み始めました!とても面白いです♪もう更新はされないのでしょうか? (2018年1月28日 21時) (レス) id: 6977329235 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ゆまかさん» コメントありがとうございます!ご期待に応えられるように頑張ります!! (2017年2月3日 21時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆまか - とても面白いです!続きが楽しみです(*^^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: d9c7a9b9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2017年1月27日 22時