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燕尾服の男 ページ32

カジノ内には、もう避難をしたようで客は一人もいない

ふぅ、と安堵の息を漏らしてから、エレベーターへと駆けた


「っはぁ…」

急いでエレベーターに乗る


「(早く…早く…)」

いつもなら一瞬のエレベーターが長く長く感じる

上の方でまた一つ爆発の音が響いた


「っタナカさん、そろそろ付くので開ける準備よろしく……タナカさん…?」

無線をつなぐもタナカさんの応答はない

「(戦いの最中なのに応答があるわけない…馬鹿か私は…!)」

しかし、今更下に戻るのも時間のロスだ


「仕方ない…」

ごめんなさい、と心中で誤ってから


「『explosion』」


派手な音をたてて、エレベーターの扉が爆発した


煙をわけて、外に出て周りを見る

綺麗なステージはボロボロに壊れて、悲惨な様子だった



そして、左側には見覚えのある赤い髪の女性が地面に散っていた



「ッッバカラ…っ」


慌てて傍に行く

ところどころに咲く赤いもの

それは彼女の体を伝って床にまで広がっていた

尋常でない赤色に、ヒュッと喉がなる



「バカラ……?」

恐る恐る声をかけると、バカラはゆっくり目を開けてAを見ると安心したような表情をした


バカラ「…A…テゾーロ様…を。私は大丈夫だから」

それだけ言うと、彼女は目をつぶった

目をつぶってしまったことに、一瞬、最悪の事が頭に浮かんだが、彼女の胸が上下している事に気づく


「すぐ、戻ってくるから待ってて…!」

1度ぎゅっとバカラの手を握ってから、Aは立ち上がった



再び、よく周りを見る

エレベーターを乗っていた時まであった爆発音はしなくなっていた

不気味なほど辺りは静まり返っていた


「何処にいるの…」


目をつぶり、愛する人の気配を探る








ジャリ…っ








音のなった方向を見る



初めての気配






「…貴方は誰」






長い銀髪がゆれる


背の高く、比較的若い

燕尾服のようなものを着て、シルクハットを被り、手には細長い鍵を持っていた





男「俺は、記憶屋だ」




そう言って怪しく笑った

記憶屋→←一刻も早く



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(プロフ) - 続きを見たいです (2020年12月20日 20時) (レス) id: d2cca775a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - みぃ さん» コメントありがとうございます!長らく更新を止めていましたが、この先のお話の方向がまとまりましたのでまた始めさせていただきました(´˘`*)更新速度は早くないと思いますが、よければご覧くださいねm(_ _)m (2018年2月5日 2時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - 最近になって読み始めました!とても面白いです♪もう更新はされないのでしょうか? (2018年1月28日 21時) (レス) id: 6977329235 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - ゆまかさん» コメントありがとうございます!ご期待に応えられるように頑張ります!! (2017年2月3日 21時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆまか - とても面白いです!続きが楽しみです(*^^*) (2017年1月29日 22時) (レス) id: d9c7a9b9ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいむ | 作成日時:2017年1月27日 22時

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