脱サラ呪術師第2号② 【呪術廻戦】【男主】 (ページ8)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:23,016 hit

40 ページ8

デカブツの正体＿＿＿
それは、この生得領域をつくった蜘蛛の呪霊だ。
キモい。非常にキモい。
人2人分位の大きさのそいつは、計8本の足をカサカサと動かしながら此方に近づいて来る。

「鵺！」

『ナイス恵！……氷結呪法、氷壁。』

伏黒が鵺で攻撃を与えた隙に、Aは自身の胸の前で両手を絡ませ氷壁の呪印を結び、一般人と自身を囲った。
1年4人は咄嗟にAの目の前に出て、戦闘態勢に入る。

「キッモ！」

釘崎はウゲ〜と舌を出し酷く顔を歪ませた。

「思ってたよりもデカイね…。Aさん2人分位？」

「Aさんデカいし1.5人分位じゃね？」

『お前ら俺で例えるの辞めてくんない？』

Aは氷壁を造ったまま続けて口を開く。

『あのデカブツ、お前らだけで祓える？』

「はい。…おいお前ら、後ろにAさん居るからって油断すんじゃねぇぞ。Aさんもう術式使えねぇから。」

「えっマジ！？」

『マジ。』

伏黒の言う通りだ。
言わずもがなAは今氷壁を造っている為、他の術式は使えない。
解除すれば勿論使えるが、それだと一般人を危険に晒す。
しかも、氷壁は集中的に呪力を長時間流し続けるため、他の術式と比べて呪力消費が半端ないのだ。
呪霊を祓い終わった頃には呪力カラカラで歩けるかどうかも怪しい。

『頼むよー、1年ｽﾞ。』

Aはフゥ、と一息吐き、呪力を流し続ける事に集中した。

･

･

数十分の格闘の末、釘崎の簪でとどめを刺し、呪霊は祓われた。
それと同時に生得領域も消え、A達の周りには教室。
あるべき校舎へ戻す事が出来た。
目立った破損も無い。

『頑張ったね。お疲れ。』

そこまで言い切ったAは、片膝をつき、その場にしゃがみ込んだ。
呪力カラカラで、手足に力が入らない。

「ちょ、Aさん大丈夫！？」

虎杖はしゃがみ込んだAを見て、一目散に駆け寄ってきた。

『悪い大丈夫。お前らは平気？』

「モーマンタイ！Aさんより元気！」

「まだ若いもの！」

『おいこら誰がオッサンだ。…ん？』

1年ｽﾞとわちゃわちゃしていると、Aのスマホがピコン、と鳴った。
家入からで、高校の外に居るから一般人連れて出てこい、と。
一般人の治癒をする為来てくれたらしい。
Aはそれを1年ｽﾞに伝えた。

『ごめん、ついでに明ちゃん呼んできてくれる？』

「？分かった！」

1年ｽﾞは一般人を連れて外に出て、暫くして新田が校舎に入ってきた。